8月の雁戸山 ~天気に嫌われ、人に恵まれ~
部屋のテーブルに、プリントや書類が重ねてある。
今まで歩いた地図、これから歩こうと思ってる地図、7月まで役所に提出しなきゃいけなかった書類(゜o゜)・・・・・などなど。
「整理しなくちゃ」と、はみ出した一枚を抜いてみたら、宮城山形県境にある雁戸山の地図だった・・・・・行ってみた。
宮城県の川崎町から国道286号を笹谷峠(標高906m)へ向かう。
笹谷ICを過ぎて少し行くと、舗装ながらも狭いくねくね道。カーブミラーが殆ど無いので、対向車に細心の注意で進み笹谷峠。
県境の標識を過ぎて行くと右手に駐車場(約20台、トイレ・・・一応有り)がある。この日は8時過ぎで5割程度の入り。

ずーっと曇り空の下を運転してきたが、ここを境に山形側は青空。
山形の市街地や上空の旅客機などをボーっと眺めてたら、5分が経過。
そんな感じでモサモサーと準備する。
同時刻に着いた方達は皆、北の山形神室方面へ向かい、南の雁戸方面へ向かう人はいない。

東(写真左)の宮城側から雲が流れこみ、先は見えない。
以前この状況ならば、帰るか、別の山を探していたが、最近はそれも面倒になり、天候の回復を「期待」と言う不確定な気持ちで登ってしまう・・・・・非常に悪い傾向にある。
何時か痛い目にあって後悔するだろう。
いつもより2.5kgぐらい重い感じで書き出しましたが、ここからはいつもの軽薄な感じで・・・・・出発!

駐車場の入口から道路を横断して、電波塔などの管理道を進む。
登りは山形県側の道を歩きます。

200m程行くと、この看板が有り右斜め方向へ。
直ぐ先が非難小屋です。

刈り払われた笹原の中の道を歩きます。
草花が咲いてたりしてのんびりした雰囲気。ウォーミングアップにはいい感じ。

陽射しが閉ざされる。
「山頂で晴れればいいんです!」・・・・・晴れればね・・・・・。

カワラナデシコ(河原撫子)もしくはタカネナデシコ(高嶺撫子)

道は樹林帯に入る。花はクルマユリ(車百合)。
傾斜の緩いダラダラとした登りが、結構応える。

進んで行くと、滑り易い土に変化する。

ミズキ(水木)の実
野鳥は勿論ですが、クマが好んで食べるらしいです。
かなりこの実を見かけたので、この辺りにも住んでるんだろーなー、クマさんが。

オヤマボクチ(雄山火口)

関沢への分岐

道は水もあったり、岩もあったりで沢っぽくなり、つるつると滑り易さが増す。

その滑り易い道を知らせるかのように、傍(かたわ)らには、つるりん・・・道・・・・・・・ツルリンドウ(蔓竜胆)が花を付けていた。

宮城コース出合(分岐)
割れた看板が気になる・・・・・クマさんだろうか?

ヤマトリカブト(山鳥兜)

この先、傾斜地の横移動が続く。
雪で反り曲がった木々を越えながらの歩き・・・・・、気分は3000m障害・・・しんどい。
※3000mも続きませんし、3000m障害に挑戦したこともありません。


陽射しが出てきて気温上昇、アジサイ(紫陽花)の清涼感に救われる。
よく見ると、装飾花が4枚(左)と3枚(右)のものがあった。

おぉー!、雲の中から姿を現した山影。
あれが雁戸山だろうか?それともニセ雁戸?もしくは幻影か?

新山(滑川)への分岐
ここで休憩・・・・・5分ほどで切り上げるつもりが、まったりしてしまい気づいたら20分経過していた。
最近、ボーっとする時間が多い(・_・)

分岐から歩き始めて直ぐの崩落箇所。
背筋がシャキっとして目が覚めた!

念のためストックを仕舞ってから登る。

この辺りを「蟻の戸渡り」と呼ぶのだろうか?
思っていたより怖くなくて助かった・・・・・と言うよりは、全く「蟻の戸渡り」と気づかずに通過してて、帰りに気がついた。
最初のピークは見えてるけど、その先は雲の中。

タカネバラ(高嶺薔薇)の実

振り返ったら、さっき休憩した新山への分岐(写真中央)がかなり下のほうに見えた。

ミヤマシャジン(深山沙参)
この系統は今一分からない・・・・・シャジンなのかツリガネニンジンなのか?

ゴゼンタチバナ(御前橘)の実

エゾリンドウ(蝦夷竜胆)

落石とスリップが怖い登り。
幸い前後に人が居なかったので落ち着いて登れた。
帰り(下り)も気を付けないと・・・・・。

ガスガスの中を歩いて行ったら看板が・・・・・ここが雁戸山山頂(標高1484.6m)らしい。
もっと先かな?と思い歩いてたので、アレレって感じで着いてしまった。
景色を眺めて感動したいが、なーんにも見えない(ToT)
誰もいない山頂で、休憩開始・・・・・暫くすると一人、又一人とやって来る。
その方々と話をしながら楽しいひとときを過ごしていると、風の吹く方向が変わり、冷たい風になった。
ひょっとしてガスが晴れるのではと期待して待ってみようと思ったけど、ジッとしてると寒い。
だったら、待ち時間の分、南雁戸へ行って戻って来れば寒くないのではと思い、南雁戸山へ向かう。

時期的なものだと思いますが、南雁戸への道は少々藪っぽいところがありました。
尾根道なので場所によっては、左右が切れ落ちてます。
総選挙で1位じゃなくても、道のセンターを歩くよう心がけましょう。
端に寄ると、フワっとしたり、踏み抜いたりと、背中に冷たい汗が流れます。
実際、下りのカーブで勢い余って左に寄ったら、「ズボッ!」て抜けて焦った。
足元を確認して慎重に歩きましょう。

水なし沢(笹雁新道)への分岐

結構下ります。スリップしたら下までノンストップかも?

シモツケソウ(下野草)

登り返しは岩が多い。

南雁戸山山頂(標高1,486m)\(^_^)/
ここでも出会った方々と話しながらの休憩です。
まあ、自分には簡単に行けない山のお話や高度な内容のお話なので、殆ど聞いてるだけでしたが、楽しく過ごせました。
最後にお別れした方には、今後、歩こうと思ってるコース(山形の山)のアドバイス等いただいたり、おやつをいただいたり、ここまで来た甲斐がありました。ありがとうございました&ご馳走様でした。
で、天候のほうは・・・・・風が止み、ガスは晴れるどころか濃くなる一方。
おまけにパラパラと降ってきたので、少々急いで戻ります。

イワインチン(岩茵陳)

当然、登って来た道は帰りは下り。
・・・・・急ぎたいけど慎重に。

ウスユキソウ(薄雪草)

帰宅後、何を撮ったのか首を傾(かし)げた写真?・・・・・道だった。

下りてきた道は登りになる訳で・・・・・。
この状況、目の前に釣り糸を垂らされた魚の気持ちになれる。
「餌付いてないんですけど。」・・・・・付いてなくても掴んで登る。

雁戸山頂を通過してもガスは濃いままだったが、雨は上がった。

蟻の戸渡りを下り、新山への分岐を経て、障害レース開始。
この区間はちょっと苦手。
この後の分岐から右に折れ、宮城側のコースへ入ります。

カケスが峰
眺めの良い小高い丘のようですが、御覧の状況で・・・・・。
救いは足元にたくさん花が咲いてたこと。

ハクサンフウロ(白山風露)とヤマハハコ(山母子)
花を眺めていたら、急にザーっと強めの雨が降ってきた(ToT)
なのでこの区間は写真がありません。ご了承下さい。

とり合えず樹林帯に逃げ込まなくてはと思い、ダッシュ!してみた。
こんなに本気で走ったのはいつ以来だろう?
子供の頃、近所のビニールハウスのイチゴ(苺)を一粒いただこうとして、「コラー!」って怒鳴られて逃げた時だろうか、いや、面接の日に寝坊して、ホームを走り去る新幹線を追いかけた時だろうか、そうだ、昔勤めてた会社の野球大会で外野を守りトンネルして、フェンスの無い河川敷でボールを追いかけた、きっとあれ以来だ。
緩い下り坂が幸いして快走の後、樹林帯へ突入。
山の木葉が雨から守ってくれて、雨音の割には濡れずに歩けましたが・・・・・。
少し行くと、山頂で会った方に再会して、お話させて頂きながら笹谷峠へ戻ります。
この御方には山の情報を沢山頂き、本当にありがとうございました。
又、話しながら歩いたことで、不快な雨の中でもめげずに歩けたことも重ねて感謝いたします。
一応、宮城コースの道の状況も・・・・・山形コースよりも滑りにくい感じがしました。
但し、小さな沢(水、流れてたかなー?)を渡る際の岩は滑るので注意です。
樹林帯から出て開けたところは、藪っぽかった・・・・・ここを通過したら、雨露でびしょ濡れになりました。冷たくて気持ち良い~←強がり

舗装路(管理道)に出たら、濡れてない(゜o゜)
どうやら雨が降っていたのは宮城県側だけだったらしい。
御一緒してた方とお別れして(^^)/~~~駐車場へ戻り無事下山完了。

天候には恵まれ無かったけど、出会った人に恵まれて、晴々とした気持ちで歩けた雁戸山の歩きでした。
行ってみた日 2015.8.16
行程
笹谷峠⇒山形コース(85分)⇒県境分岐⇒(25分)⇒新山分岐(休憩20分)⇒(30分)⇒雁戸山頂(休憩40分)⇒(30分)⇒南雁戸山頂(休憩35分)⇒(30分)⇒雁戸山頂⇒(25分)⇒新山分岐⇒(15分)⇒県境分岐⇒宮城コース(60分)⇒笹谷峠
以上6時間35分(休憩1時間35分含む)の行程でした。


地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)雁戸山
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