赤面山から三本槍岳 ~赤面山頂っていいね!~
「山」を始めて間もないのに、安全策からか(石橋を叩いて壊す性格です)同じ山や同じコースばかり歩く傾向にある自分。
それはそれで楽しみ方だからいいじゃん!って思いつつも、やはり新たな山、新たなコースへ挑戦しなくては・・・・・。
てな訳で、足を運ぶ機会の少なかった那須連峰、その北東に位置する赤面(あかづら)山へ行ってみた。

国道289号(甲子道路)を白河から下郷方面へ向かうと、朝日を浴びる那須連峰が見えてきた。
左が茶臼岳、真ん中が朝日岳、そして右端の一段低くてのぺーっとした所が赤面山らしい。
そのまま国道を直進して、新甲子温泉辺りから左に折れて県道290号を那須方面へ向かう。その県道を走ること約6.5km、旧白河高原スキー場(もっと昔は赤面山スキー場)に到着。
敷地内(広い)に先行の車が1台あったので自分も入ったけど、その先にある廃墟と化した建物を見て躊躇・・・・・ここに止めて大丈夫???
もたもたしてたら後続車が来て計3台になり、「まっ、3台あれば安心だね。」(自分の事ながら、この人の安易な基準値に悩む今日この頃・・・)
※この日は入口のバリケードが除けてありましたけど、場合によっては閉鎖されてることもあるようなのでご承知ください。
準備して出発!

廃墟の左側が登山口(標高約1,100m)らしいけど、それを示すような看板は見当たらなかった。


概ねゲレンデ跡の左端を登って行く。
道は石がゴロゴロしてて、なかなか思い通りに歩かせてくれない。特に降りは足を挫きそうなのでご注意下さい。
背中から朝日を浴びて暑そうだなーって思ってたら冷たい風が吹いて良い感じ。ただ向かい風だったけど。

やがて道は平らになり、最初のリフトトップに辿り着いた。
古~い地図によれば、登山道はここを真っ直ぐ(写真だと左手)行くらしいので直進。
踏み跡も発見したので安心して100mも行ったら、んー、涸沢だか道だかわからない状況・・・・・こりゃ駄目っぽいと写真の場所まで戻り、右へ向かう。
少しばかり降るので不安だったけど、石に矢印を発見して一安心。

矢印を追って行くと、次のリフト乗場が見えてここを通過。


○(マル)って事は正解!って事だよね~♪って納得して進む。
この先、二又の矢印が多発して悩む。結果的にはどっちを行っても良いようですが、一番右端のゲレンデまで行くと、那須甲子少年自然の家へ向かう道に出てしまう可能性もあるのでご注意下さい(地図サイトの航空写真で確認)。まぁ、その道からも何れ合流するので向かう方向さえ間違えなければ問題は無いようですけど。

ここも二又。んー・・・棒を立てて倒して進みますか?
「パタン。」・・・・・歩いて来た方に倒れた。「早くもお帰りですか?」

左、左で行ったらゲレンデ最上部のリフトトップに出た。
二又の選択次第によってはこの景色は見ないかも?

リフトトップから少し行くと、ようやく「入口」(標高約1,500m)。
赤面山頂までの行程上、ここまでのゲレンデ歩きが6割強を占めているかと思います。
この先は道の傾斜も緩いので、それを考えるとここまでで7割以上かなー?

山道に入ると最初はブナ(山毛欅)の林。
今まで広い所を歩いて来たもんだから、ちょいと圧迫感を感じた。


直ぐに「那須甲子少年自然の家」からの道と合流。
ここで、何処からともなくキジバト(雉鳩)が飛んできて5m程先の枝に留まった。
そして「デデーポッポー、デデーポッポー」って鳴き始めた。こちらに気づいてる風だけど、人間が怖くないのかな?
昔(自分が幼い頃)、ひいばあさん(曾祖母)が言ってたのを思い出した。
キジバトが「デデーポッポー、デデーポッポー」って鳴くと天気は晴れで、「ポッポデデー、ポッポデデー」って鳴くと雨が降る・・・・・とかなんとか。
自分にはその鳴き声の違いが未だに分からない。区切り位置の違いだけだと思うんだけど・・・・・。兎に角ひいばあさんはキジバトの鳴き声を聞き分けて天気予報してた。
今日の鳴き声はどっちだろう?


開花したてのシャクナゲ(石楠花)や、開花への準備を進めるマイヅルソウ(舞鶴草)を楽しみながら歩く。

開けた!

振り返って白河方向を眺める。左の水面は堀川ダム。


山頂が近くなると、道には岩が出現。辺りは低木のドウダンツツジ(灯台躑躅)・・・(多分)が密生してて、身長の高い方は屈みながら歩かなくちゃいけないので苦労するかも?そういう苦労もしてみたいもんだなーと思ったけど、全く労せずに通過(身長170cm程度)。
そのドウダンの林を抜けると再び開けて・・・・・

茶臼岳と朝日岳が登場!




時にはシャクナゲ(石楠花)、時にはコメバツガザクラ(米葉栂桜)に足を止めながら、青空へ向かって進む。
標示板に従い左にカーブすると山頂が見えてきた。
※この辺りガスると方向感覚を失いそうな場所なので道迷いにお気を付けください。

赤面山山頂(標高1,701m)(*^^)v

シャクナゲと記念撮影。


茶臼岳/朝日岳

一際目を引く旭岳(赤崩山=甲子旭岳)

鎌房山の向こうに(左から)磐梯山、吾妻連峰、安達太良連峰のシルエット。
他にも眼前に甲子連山、遠くに飯豊連峰や阿武隈の山なみ・・・・・。山銘板を確認しながらその眺めを楽しんだ。
恥ずかしながら、自分の赤面山のイメージは狭い山頂、那須の山がちょっと見える程度、ただ山肌が赤いだけだろー、なんて思ってた。
でも、広い山頂、360度の大展望を目の当たりにして、又好きな山が一座増えた。
やはり実際に山頂まで行ってみないと・・・、想像やイメージばかりじゃ駄目ですねー。
山頂でグルグル、ウロウロして景色を楽しんだ後、時計とにらめっこ。
時間もあるし、体も動くし、三本槍岳まで行ってみた。

赤面山頂から東に見えるスダレ山。
道はここから少し降りて登り返し、スダレ山を左から巻くようにトラバースして写真左端辺りで中の大倉尾根の道と合流します。
※看板の「清水平」方面へ向かいましょう。
ちなみに右端の一段低く申し訳なさそうに写ってるのが那須連峰最高峰の三本槍岳です。


さっき「少し降りて」って書いたけど、感覚的には「え?こんなに降りるの」って感じです。




降りて行くと、スダレ山の取付きまでは概ね平坦で、シャクナゲ(石楠花)が沢山咲いてて凄かった!


スダレ山の下まで行って登りの始まり。
中の大倉尾根に出るまではちょっと危険な感じの道です。特に笹の根っこは降雨時によく滑るので注意しましょう。


途中に「水場」を知らせる看板。丁度、栃木福島県境の沢なので記念に一口と思ったけど、急な坂道でパスしました~。
この辺りから栃木県に入ります。「お世話になります。」

中の大倉尾根との合流点に着き振り返ると、赤面山を見下ろせるようになってた。
で、ここからは賑やかな観光地の雰囲気。人が多い・・・・・、「栃木県って関東だからやっぱ人口多いんだなー」、それにしても多いなー?
途中で会った方の話ですと、この日「那須連山縦走フェスティバル」っていうイベントが開催されてて、ロープウェイやスキー場のゴンドラ、その間のシャトルバスがセットになったお得なイベントだったようです。んなもんだから人がいっぱいって訳です。
分岐点等にはスタッフさんが詰めてて、地元FM局も協賛?してるらしくその放送を聞いてる方も見かけました。
天気が良くてなによりですねー。イベント大成功かなー。

こちら側はミネザクラ(峰桜)が満開でした~♪
シャクナゲ(石楠花)は、まだ蕾のものが多かった。

道はしっかりしてるけど、1ヶ所だけスリップ注意!

スダレ山辺りから見た景色。

朝日岳

「怖くないですかー?」

スダレ山を越えると、道は割と平坦。北温泉分岐が近づくと、正面に三本槍岳が見えてきた。

「よいしょ、こらしょ、よいしょ、こらしょ」と大合唱が聞こえてきそうな登り。山頂での休憩は無理っぽいかな?


三本槍岳への道は段差があります。眺めが良い道なので、景色を楽しみながら休み休み登りました。

磐梯山(左)と吾妻連峰。その下の横に広がる白いのが猪苗代湖です。
心がきれいな方には布引高原の風車群が見える筈です。自分には・・・(^_^;)

三本槍岳山頂!

茶臼岳
霞んでたけど日光の山々や燧ヶ岳なんかも確認しました。
で、やはり人が多いのでここじゃのんびり出来ない。北側に目を向けると少し降りた、鏡ヶ沼の見えるポイントに人が居ないのを確認したので、そっちで休憩にします。

赤面山は凄く低い所に見えた。216mの標高差って結構大きい・・・。
(奥の景色は白河方面)

「裏那須」または「ミニ飯豊」と、どちらにしても主役級じゃない呼び名の流石山~大倉山~三倉山と続く稜線。
今年もキスゲ咲く頃に来れるだろうか?

休憩ポイント到着~。

旭岳(赤崩山=甲子旭岳)と鏡ヶ沼
もうちょっと新緑を期待してたけど、早かったようです。でもこの景色が大好きなんです。

旭岳は恰好良すぎる~。人間だったら役者さんかモデルさんになってるねーきっと。

旭岳のちょい右に薄っすらと雪山が見えた!
方向的に山形県の朝日連峰か月山かなー?どっちにしても100km以上離れた山が見えるって凄い!

この日は赤面山からここまで、北に開けた所ではずーっと飯豊連峰に見守られてた。
残雪の量や、空に浮かんだ感が他の山とは全く違う別格の山。・・・・・いつかは・・・・・。

景色を楽しみ、ザックの荷物を粗方(あらかた)腹の中に移し終えた・・・帰ろ。
写真右上が三本槍岳。

山頂は人がいっぱい!
こんなに登ったら数年後には標高が低くなるかも?
(真面目に心配しています。)

ミネザクラ(峰桜)

ミツバオウレン(三葉黄蓮)


山頂はスルーして降りに入る。12時を回ったけど、三本槍に登ってくる方の数は増えるばかり・・・・・山頂で座る場所が無かったらショックだろうなー。特に、辛そうに登っている方や、お子さんの顔を見ると気の毒になってしまう。

次はいつ来れるだろうか?そんな事を考えながら同じ道を戻る。

雲が出て陽射しが遮られたお陰で、遠くの景色が見えてきた。
広い広い関東平野の片鱗が見えた。

周りの皆さんに合わせたペースで降りて行く。

中の大倉尾根から折れて赤面山へ戻る。
ここでちょっとハプニング!
後ろを歩いてたどこぞのおっちゃんが、自分と同じくこちらに折れて降りて来ようとした。この分岐にもイベントのスタッフさんが居て、「そっちは赤面山ですよ」って言われても、構わず来ようとする。見た目では疲労してて赤面山へ向かえそうな感じではない。「自分はこっちから登ってきたからこっちへ戻るんですよー」って声を掛けて、スタッフさんにお任せしてその場を後にした。
年齢的なものか、極度の疲労からくるものか分からないけど、判断力が無くなるって怖い。明日は我が身か・・・・・気をつけよう。

東側から見上げた赤面山はなんとなーく安達太良っぽい。そう言や、標高もほぼ同じ。(安達太良1,700m、こっちは1,701m)

本日二度目の赤面山頂!
ここの山頂はなんか落ち着く。

朝は見えなかった筑波山が薄っすらと見えていた(右上)。

岩に腰掛け、この景色をしばらくボーっと眺めた。
30分程経って雲が増えてきた。こりゃ、一雨来るかも? 慌てて下山開始。
ゲレンデ辺りでパラパラっと降られて、登りで会ったキジバトを思い出した。あのハトは「ポッポデデー」って鳴いてたんだなー。そして帰りは雨が降るから「早くお戻り」って知らせてくれたんだなー。・・・・・でも鳴き方の違いは全くわからない???
どうにか濡れずに下山完了!
この後、甲子高原山荘さんの温泉(¥400)で汗を流す。ちょっと温めでいつまでも入ってられるような自分好みのいいお湯でした。
温泉を後にすると本降りの雨になった。予報じゃ土日は降らないって言ってたから洗車して来たのに~・・・・・まっ、何はともあれ無事帰宅。
以上、赤面山から三本槍岳への歩きでした。
行ってみた日 2016.5.21
行程
旧スキー場⇒(35分)⇒最初のリフトトップ⇒(30分)⇒山頂入口⇒(40分)⇒赤面山頂(休憩15分)⇒(45分)⇒赤面山分岐⇒(15分)⇒北温泉分岐⇒(25分)⇒三本槍岳山頂⇒(10分)⇒鏡ヶ沼展望所(休憩70分)⇒(10分)⇒三本槍岳⇒(25分)⇒北温泉分岐⇒(15分)⇒赤面山分岐⇒(30分)⇒赤面山頂(休憩30分)⇒(45分)⇒旧スキー場
以上7時間20分(休憩1時間55分含む)の行程でした。

地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)赤面山