福島市・猪苗代町 ~一切経山~
スカイラインの浄土平でふわふわのワタスゲを見ていたら、身も心も軽くなったので(心はともかく身は重いままだった)、一切経山(いっさいきょうざん・標高1948.8m)の山頂へ行ってみた。
※実際は、最初から行こう(登ろう)と思って、それなりの準備、格好をして行っています。くれぐれも無計画に準備無しで登らないでください。よろしくお願いします。

浄土平の木道から見た一切経山です。山頂はこの山の陰になります。山頂までは標高差約350m、約3kmの道のりです。

この写真は昨年の晩秋に吾妻小富士から見た一切経山です。噴煙を上げている山の隣のなだらかなところが山頂です。

最初はこんな感じのところを歩いていきます。

浄土平の駐車場から約600mで、この分岐点に指しかかります。自分は一切経山へ向かうので右へ行きましたが、赤枠の看板に立入禁止の文字が見えます。

大穴火口付近の登山道とはこの道ではなく、手前の封鎖されている道のことだと思われます。ただ、風向きによっては火山ガスが飛んでくると思われますので、お気をつけください。

道は分岐すると、勾配が急になります。雪解け水の流れる沢を右下に見ながら登っていきます。

道沿いにはイワカガミが多く咲いていて、登山者を励ましてくれます。

登りきると酸ヶ平(すがだいら)です。道は木道になり、平坦です。自分はゼイゼイハアハア言いながら登ってきたので、ここで息を整えます。

少し行くと、分岐点です。浄土平からここまで約40分かかりました。

分岐点から一切経山方面約100mに避難小屋とトイレ(和式)があります。

避難小屋辺りから低木の間の道を抜けると、雪渓がありました。あちらこちらに穴が空いていて危険です。注意しながら進みましょう。自分は見事に左足がハマった・・・もう少し痩せてから来なさいと言う山の神のお告げかなー^^;。怪我が無くてよかった。

ここから岩がゴロゴロある、急な上り坂です。日頃から運動不足の自分には、ここが一番の難所でした。岩が転がる前に、自分が転がりそうでした。

振り返ると、酸ヶ平の先に鎌沼と東吾妻山が見えます。何度も振り返り、この景色を励みに登っていきます。

山頂が近くなるにつれて、草木が無くなってきますが道の勾配はゆるやかになってきます。

ようやく山頂に着きました。「やったー」というよりは「やれやれ」といった感じです。しんどかったー・・・

酸ヶ平の分岐から約40分、浄土平からだと1時間20分かかりました。さっきまで青空で風も弱かったのですが、山頂に着いたとたんに、曇り空になり、北西からの強い風が吹き付けます。その風が、汗で濡れた体から、急激に体温を奪っていき寒いです。慌ててウインドブレーカーを着込み、山頂周辺を歩きます。

南東側からは、浄土平から見上げていた吾妻小富士が眼下に見えます。あっちの山も雲が出てきました。

北西側には西吾妻の山々と尾根が続いています。大きいリュックを背負ってそちらの方向へ下っていく人が数人いました。あの尾根を縦走するのでしょうか?歩いている姿を見ると、明らかにパワーとスピードが違います。「縦走」と言う言葉に「走」の文字が使われている理由がなんとなく分かりました。自分は「牛歩」ですけど・・・

北側には五色沼と家形山です。実は今回、一切経山に登った一番の理由は、この景色が見たかったからです。「魔女の瞳」の異名をもつ五色沼は、直径約300mの火口湖です。岸辺と中央で異なる青い水面が印象的です。
強風の中、雲の切間から時折差し込む陽の光に照らされ、浮かび上がる(ように見える)五色沼に見とれていると20分ほど経過していました。危(あやう)く、このまま動けなくなり岩になってしまうところでした。恐るべし魔女の瞳・・・。

もちろんそんな魔力はありませんが、その青さには見る人を魅了する、一種の魔力的なものがあるのかもしれません。実際、登ってきた人の疲れを軽減させてくれるので、良い魔力です。もっとも、20分も休憩すれば、疲れも少し取れますが・・・。
この後、酸ヶ平まで戻り、鎌沼方面へ歩きました。その模様は次回へ続きます。
行ってみた日 2012.6.24
詳しくはこちらへ⇒浄土平ビジターセンター
<国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)一切経山
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