磐梯山 ~赤埴林道から山頂へ(その1)~

梅雨の晴れ間に、雲と一緒に裏磐梯を眺める。
ほんの僅か(わずか)だけど、大空を舞う鳥の気分が味わえた。
まずは猪苗代町の中心部からほど近い猪苗代スキー場へ向かいます。
そこから、赤埴(あかはに)山へ向かう林道を上って行きます。
但し、大雨が降った後や、春先のシーズン前はかなり危険そうです。
天候や季節に関係無く、自己責任で通行してください。
追記:この後、10月に訪れたところ、赤埴林道の状況は悪化していました。
本来、磐梯山登山の正規ルートではないアクセスで、危険を伴いますのでこの林道は推奨しません。
林道入口から約8km、
終点には10台ほど止められそうなスペースがありますが、トイレ等はありません。

思っていたより寒かったので、長袖に着替えたり準備運動(自家用車の周りをウロウロするだけですが・・・)をしてから出発です。
写真は登り口です。看板等はありませんでした。

タニウツギが咲く、ちょっとした登り坂(階段あり)を歩いて行くと、10分足らずで猪苗代登山口の分岐に出ます。

先程の分岐から5分ほどで沼の平に入ります。
湿原越しに磐梯山の東壁が見える予定でしたが、山頂は雲の中・・・・・。
その景色は帰り道の楽しみにして、先へ向かいます。
この辺りから道は平坦になり、周りの花や景色を楽しんだり、蛙の声に耳を傾けたりと余裕の足取りで進みます。
途中、弘法清水小屋の方と遭遇。
大きな荷物を背負っていたので、つい、「何kg(キロ)ぐらいあるんですか?」と、恐らく何百回と聞かれているであろう愚問を言ってしまった。
でも、その方は立ち止まって「30kgありますよ」と、嫌な顔一つせず答えてくれた。
30キロ?、自分は10kgもない荷物をゼイゼイ言いながら登っている。
しかも、重さを聞いたところで手伝えるわけでもなく、仕事中の方を足止めさせてまでする質問では無かった。
この時思った、自分は新聞記者や芸能レポーターには向いていない。

渋谷口への分岐辺りから、道は登りになります。

登っていくと周りは低木になり、櫛ヶ峰から磐梯山へ続く尾根が見えてきます。
傾斜は少~しだけきつくなります。
この坂を登ると・・・・・

桧原湖をはじめとした水と緑の裏磐梯高原の景色が目に飛び込んできます。
風も爽やかで気持ち良く、しばしこの景色の前に立ち尽くします。
火口壁の上なので、下を覗(のぞ)くのは怖いですが素晴しい風景です。
出発してから約50分経過してました。

東には櫛ヶ峰(くしがみね)が見えます。
ここは、櫛ヶ峰や川上温泉口への分岐にもなっています。

西には、これから向かう弘法清水への道が続いています。
岩がゴロゴロした道なので、滑ったり、蹴とばして下に転がさないように注意が必要です。
写真にはありませんが、右手に天狗岩を見ながら登って行きます。
途中に石碑があって、まだ3合目との事。
頂上はまだ先のようです。

川上温泉口への分岐から、坂道と格闘すること25分、弘法清水にたどり着きました。
ようやく雲がとれて、磐梯山頂が見えてきました。
ここには、冷た~い清水はもちろんですが、景色も良く、売店も2軒あり、休憩ポイントとしては最高です。
思いのほか元気だったので、休憩せず山頂へ向かいます。

弘法清水から磐梯山頂へ向かう道が一番きつく感じました。
大きい岩が多くて歩きにくく、前日の小雨の影響か滑りやすいです。
もちろん傾斜もきつくて、眺望もそれほどありません。

それでも、ちょっと休もうかなと思った辺りに、丁度、見晴らしの利くポイントが2~3ヶ所あるので、なんとかなるかな?
先程まで歩いていた沼の平が真下に見えました。
いつの間にかこんなに登っていたようです。

歩き始めて1時間40分(弘法清水から25分)、磐梯山頂(標高1,816m)に着きました。
まずは三角点にタッチ‼

もちろん、明神様にも手を合わせます。
山頂からの景色は、北側の裏磐梯高原は見えましたが、周りの山々は雲に隠れて姿を現してくれませんでした。
今日は日曜日でお休みでしょうか?

南側にある猪苗代湖も雲の切れ間から、時折姿を見せる程度ですが、この瞬間が劇的です。
分厚い雲が凄いスピードで西から東へ移動していきます。
すると、突然、雲が切れて、ホンの数秒ですが猪苗代湖や会津盆地がクリアに見えます。
この後、弁当タイムに入ってしまった為に、幾度と無くシャッターチャンスを逃してしまいました。
食い気優先なのでご了承ください。

山頂にある売店の先の南斜面には、訪れた登山者を祝福するようにミヤマキンバイが咲いていました。
40分ほど滞在して、雲が完全に切れるのを待ちましたが無理のようで、風も冷たく感じられるようになってきたので下山します。
弘法清水まで同じ道を戻るのですが、時間と共に多人数のグループが多くなり、すれ違うのにも時間がかかります。
登って来る人達と挨拶を交わしながら、焦らずのんびり下ります。
弘法清水小屋で、先程足止めさせてしまった罪滅ぼしと言う訳ではないけど、記念バッチ(新標高が記載されています)を購入。
お店の方は、自分の顔を覚えていてくれて、ちょっとうれしかった。
その後、近くに咲いていたバンダイクワガタの存在を教えていただいた。

これが磐梯山の固有種「バンダイクワガタ」です。
登ってる時は、目線が上へ向いていて気付かなかったけど、登山道の側に結構咲いています。
なん見つけるとうれしくなり、この後、単純な自分は下ばかり見て歩きます。

弘法清水から少し下り、お花畑へ向かいます。
下り始めたところにミヤマオダマキ?が咲いてました。

お花畑ではミヤマキンバイの黄色い花が風に揺られています。
後ろにそびえる磐梯山は、その光景をそっと見守っています。
花の写真を撮っていたおばさ・・・お姉さん(^_^;)に花の名前を聞いていたら、「少し先にグンナイフウロの白い花が咲いてるから見ておいたほうがいいよ」との事。
行ってみた。

グンナイフウロです。
少しうつむき加減に咲いた姿が印象的な花です。
先程の方に出会わなければ、この花を見ることも、名前も知ることもなく山を下りていました。
更にその数分前まではバンダイクワガタの存在すら知らずにいました。
「そんなの知らなくても良いじゃん」と言われればそれまでですが、山の上ではちょっとした情報や、小さな発見が、平地での何倍にもうれしく感じます。
しかもそれが、今日はじめて会った赤の他人からの情報だと、不思議なことにうれしさが更に増します。
これが山の魅力なんですかね~。
一度、八方台の分岐まで行き、又、お花畑の道を戻ります。

弘法清水への分岐まで戻り、櫛ヶ峰へ向けて下りていきます。
徐々に近づく櫛ヶ峰。登ろうか、やめようか、悩みを抱えて下りていきます。
~つづく~
行ってみた日 2013.6.23
詳しくはこちらへ⇒磐梯町のサイト
詳しくはこちらへ⇒猪苗代観光協会
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)磐梯山
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