家形山と五色沼 (不動沢口~山頂)
いつも前置きがクドイので、今回は早速。
恒久無料化となったスカイライン(料金所の撤去工事が行われていました)の不動沢橋へ車を走らせます。

青空が広がり、風も無く、恵まれたコンディション。
台風が近づいているようですが、今日一日持ちそうです。
写真中央の建物はトイレで、その左が駐車場、更に左に行くと展望台があります。
不動沢登山口は橋の先を右カーブ(高湯方面)して左にあります。
天気が良いので、不動沢橋の中程まで歩いてみる。

高湯温泉のホテルが見えて、その向こうに雲海が広がっていた。
福島盆地の街並はあの雲の下。
遠くを眺めるには問題ないが、怖くて直下のつばくろ谷を見ることが出来ない。
へっぴり腰の格好でカメラだけ下に向けてシャッターを押して、その画像を確認する。
橋の上でアホな行動をして、今日は何しに来たの?と自問自答・・・・・、 家形山へ行くんだった・・・・・。
又、前置きが長くなった。反省・・・・・。

登山口のある駐車場へ移動します。
ここに「不動沢」バス停がありますが、不定期路線の為、時刻等は福島交通のサイトで確認して下さい(スカイライン循環線)。
浄土平からバスを利用することで周遊も可能になるので、天候や体力の変化を考え、念の為、調べてから行きたいところです。

駐車所の東側に登山口(標高約1,200m)があります。
登山ポスト(カード、鉛筆有り)に記入したカードを投入して出発です。

歩き始めて直ぐに小さな沢を渡り、少し行くと、慶応山荘の真新しい看板がありました。
それに従い、山へ入って行きます。

高湯温泉からの道と合流すると、狭くて滑りやすい登りが続きます。
今日は天気が良すぎて蒸し暑く、虫も多くて苦労しそうでしたが、10分ほど歩くと虫もいなくなりました。

ウメバチソウ

シラタマノキ

登山口から35分、「賽河原」の看板がありました。
賽の河原(さいのかわら)の名前から、広々で、荒涼とした景色を思い描いていたので「あれれ?」って感じです。
結構汗をかいたので、休憩して汗をひかせることにします。
ここから左(南)へ道が分岐していますが、木で塞がれていました。
タオルで汗を拭っていたら、人の気配が・・・、単独の登山者が下りてきました。
お話を伺うと、家形の避難小屋(前日は安達太良)に宿泊されて高湯へ下りる途中との事。
最初、山小屋の方かと思って話しかけてしまい失礼しましたが、少し当たっていた。
なんとこの方、○○年前、慶応吾妻山荘○代目の管理人をされていたそうです。
残念ながら、山荘は本日不在で入れず、避難小屋での宿泊だったそうです。
久しぶりの吾妻訪問だったようで、昔と変わった景色に驚いておられました。
ここ、賽河原も昔は、草木の無い荒涼とした土地が広がっていて、この先の湯の平まで見通せたそうです。
確かに、周りを見渡すと、それほど大きな木も無いことから、お話に納得できます。
他にもお話を聞かせていただき(もっともっと聞きたかったのですが、そうも言ってられないので)、お別れして、先へ進みます(15分休憩)。
「貴重なお話ありがとうございました。」
家形山頂まで、人と会ったのはこれっきりでした。

賽河原から道は平坦になり、足取りも軽くなります。
ですが、5分ほど歩いた山鳥山の標板あたりから、景色の変わらない200mほど先まで見える直線が連続する道に、視覚的というか精神的にというか、「遠い」という印象でダメージを受けて、足取りも・・・・・。
誤解を受けないように言っておきますが、道自体はかなり整備されていて、沢状の場所もバイパス的に刈払いされ、看板も見やすく、非常に歩きやすい道です。
又、冬山用の道でもあるらしく、高い位置に目印、看板等が目立ちました。
山小屋の方、山岳会等の皆様の努力によって守られている歴史ある登山道、おかげ様で自分のような「にわか登山者」でも歩くことが出来ます。感謝感謝です。

地図にヤエハクサンシャクナゲ自生地と表記して有りましたが、この品種でしょうか。
この辺りは国指定の天然記念物になっているそうで、道沿いにたくさんありました。
福島県人には県花の「ネモトシャクナゲ」と呼んだほうがお馴染みのようです。
開花は6~7月頃かなー?

登山口から1時間20分、井戸溝の橋を通過。
初回なので多いか少ないかは分かりませんが、沢に水は流れています。

井戸溝から10分ほど歩いた木陰の中に、慰霊碑がありました。
手を合わせてから、先へ進みます。

この辺りから、平らだった道にも傾斜がついてきますが、まだまだ緩い上りです。

登山口から1時間40分、慶応吾妻山荘入口通過です。
管理人さんの不在を告げる看板が掲げてありました。
帰り道に立ち寄らせていただきます。

数分後、追分または硯石と呼ばれる、家形山避難小屋への分岐にたどり着きます。
ずーっと森の中で気が滅入りますが、時折、空を見上げて何とかここまで歩いてきました。
ナナカマド(赤)やダケカンバ(黄)が多い道なので、これからの紅葉シーズンには楽しめると思います。
で、ここから登りが急できつくなるので、今まで歩いた分は無しにして、新たに「ここから登山が始まる」くらいの気持ちが必要のようです。
まあ、それが出来れば苦労しないのですが・・・・・。
ブツブツ言いながら、登ること20分。
急に木々が無くなり視界が開けます。

登山口から2時間10分、大根森(大根は生えていない)と呼ばれる、ガレ場にでました。
家形山は写真(西方向)左の山の後ろのようです。
右(北)にかけては家形山から続く、山形福島県境の稜線が続いています。
南西の方向に一切経山の頂上もわずかに確認できました。
5分ほど心地よい風に吹かれてから、又、急坂を登ります。
先程見えた山の南側に出ると、ガレ場になり、正面に家形山が現れます。

その先は青空に向かって登ります。
道はご覧の通りなので、注意して登ります。

登っていくと、再度家形山が正面に。
天気の良い日は問題ないですが、ガスに包まれると迷いそうなところなので、岩に記したマーキングを見失わないようにしましょう。

先を見ると、こっちに転がってきそうな大岩が(@_@;)‼
恐る恐る、あれを目指して登ります。
ゼイゼイ言いながら、大岩の隣に重い体を運ぶと・・・・・、

五色沼の青い水面が目に飛び込んできた。
一切経山から見る五色沼も感動しましたが、こちらから見る五色沼には更に感動‼
ここまで、登山口から2時間40分かかっています。

今日の目標、家形山は目前ですが、ここで五色沼や雲の流れを楽しみながらおにぎり休憩にします。
東から裾野をはうように上がってくる雲は、家形山まで来ると西風に押されて戻っていく。
また次の雲の塊がやって来ますが、やはり戻されます。
山の上では、そんな単調な空の変化にさえ感動してしまいます。
15分休憩の後、家形山へ。

この辺りは、冬の季節風が吹き抜ける、厳しい環境のようです。
ハイマツの根はむき出しになり、崖下に落ちるのを、必死にこらえています。

一切経山からの合流点にも慰霊碑がありました。
こちらには、重いお言葉が記されています。
山に登る方には、ぜひ読んでいただきたい。
手を合わせて、山頂へ向かいます。

この碑から眺める五色沼は趣きが違い、再感動‼

ガレた坂を登って、不動沢登山口から3時間15分(内休憩35分)、家形山頂(標高1,877m)に着きました。
行ってみた日 2013.9.14
~つづく~
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)家形山
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