南蔵王不忘山(白石スキー場から)
お隣宮城県、蔵王連峰南端の不忘山。
過去2回はエコーライン刈田峠からのアプローチで、「行った」と言う感覚はあるけど、「登った」と言う感覚では無かった。
と言う訳で、今回は麓のみやぎ蔵王白石スキー場(弘法清水コース)から登ってみます。
で、早速(さっそく)、スキー場到着。
駐車場(標高約830m)は広々として、どこに駐車して良いか迷うほど。
眺めも良く、太平洋まで見渡せます。

黄色い建物の奥に見える、雲に包まれそうな山が
準備して出発。
まずは駐車場の入口に戻り、舗装路をゲレンデへ向かいます。

舗装路の先を左に行くと、無料休憩場(登山届け、水洗トイレ有)があります。
トレッキンッグマップが置いてあったので、頂いて一読してから行きます。
そのマップによると、山頂までは2時間30分のコースタイムらしいですが、果たして・・・・・。
写真右奥(休憩所から出て左)へ進みます。
※舗装路の終わりに大きなルート案内図がありますが、古いものらしく距離、タイムとも、ん?って感じなので、個人で判断して参考にして下さい。

はじめはゲレンデ登り。
ここを行くと、スキー場内の林道(作業道)に出ますので、その道を左に登って行きます。
先行者が居ましたが、離される一方でした・・・・・。

ひとつ前の写真奥のゲレンデの下付近です。
この先、ゲレンデが終わると道は平坦になり、林道歩きが続きます。

林道が終わり、白石女子高山小屋跡に着きます。
ここから、ようやく登山道って感じになります。
ミズナラの林の中を歩きます(スリップ注意)。
周りの木々には樹名板が有り、勉強になりますが・・・・・、徐々にその樹名を見る余裕が無くなります。


きのこA / エゾオヤマリンドウ
平坦になり、一度木々が途切れユキトリ沢に出ます。

その先も平坦な道で、次に開けてアザレア平と呼ばれる場所に出ると、不忘山が正面に見えてきます。
まだかなり遠い・・・・・・・。


タカネマツムシソウ / きのこB


アザレア平を過ぎると、徐々に傾斜がきつくなり(途中木段有り)、それだけでなくぬかるみもきつくなります。
粘土質なのか、滑り易い土なので気をつけて歩きます。
この区間、苦労して歩く割には、高度は稼げていないような気がします。

一部ですが、色付き始めたナナカマド。

登山道工事中で右に迂回路がありました。
工期はH26/9/30までとなってました。

迂回路は日当たりが良く、風を感じて歩けました。
ずっと迂回路のままでも良いような・・・・・。


ハクサンフウロ / ツリガネニンジンもしくはハクサンシャジン

迂回途中から見える、工事中の登山道。
開通が待たれます。

迂回路を行くと広場的なところに出て、本線と合流します。ここが弘法清水らしいです。

この沢の事を弘法清水と呼ぶのでしょうか?それとも別にあるのかな?
よく分かりませんでしたが、磐梯山の弘法清水と比べてしまうと・・・・・。
清水はどうあれ、この先に難所があるので、健脚・・・・・ではない方は、ここで少し休憩するのが良いと思います。
自分は知らずに休憩せず進んだので、難行苦行~ヘロヘロ状態になりました(+_+)。
なので、ここで一息ついてからお進み下さい。


弘法清水の先は、砂防的な意味合いの強い階段を登るようになります。。
登り始めは、段差も低く歩き易いかな?と思いますが、すぐに段差、傾斜ともにきつくなり、滑り易い土で苦労します。
視覚的にも遥か上まで見えてしまい、延々と続く砦のように見える階段に精神的なダメージを受けます。
右の写真の場所辺りから、普通に歩けない精神状態なので、「何歩でここを乗り切れるか?」と自問自答して、歩(あゆみ)を数えながら歩きます。
頭の中をそちらに集中させて、疲れや苦しさを紛らす作戦です。
今から遡(さかのぼ)ること??年前、小学生の頃、下校時の自宅までの遠い道のり。
ランドセルに漫画本を忍ばせて置いて、それを読みながら帰るとアッと言う間に家に着いた(気がした)。
田舎道で車も少なかったから出来た芸当かも知れないが、他の事に集中すると、もう一方は無意識に出来てしまうって事ありますよねー。
※歩きながらのスマホ、歩きながらの漫画読みは危険!です。
話が逸(そ)れましたが、この難所(不忘の砦:勝手に命名)を、この作戦でどうにか乗り切りましたとさ。
ちなみに歩数は約500歩でした(こんなに数えたのは人生初かも?)。
この不忘の砦が終わる辺りに水溜石と呼ばれる岩があるので、目安になると思います。
※難所、難所と騒いでますが、自分の個人的な感想ですので、何の苦も無く登れる方も居(お)られると思います。その点、ご了承下さい。
うー・・・・・、右ひざがちょっと痛み出す・・・・・おまけに頭もちょい痛い・・・・・数え過ぎか?


きのこC / ミヤマカラマツ

徐々に開けてきて、周りが見渡せるようになります。

不忘の碑(右)とカエル岩(左)が見えてきました。


ガレ場や大きな岩の道もあります。

振り返ると、歩いて来た斜面(森)の先には白石市内や青麻山(あおそやま)が見えます。
この斜面もあと3~4週間で赤や黄色に染まり、訪れた人々を楽しませてくれることでしょう。

ハクサンイチゲ

不忘の碑は硯石と、歩いて来た弘法清水コースとの分岐にもなってます。
白石スキー場からここまで3.9km、2時間45分かかりました。
マップによるとコースタイム2時間30分で山頂でしたが・・・・・もうこの時点でオーバー。

不忘の碑
不忘の名の通り、忘れてはいけない事が刻まれています。

カエル岩

吾妻連峰

不忘の碑から山頂までは0.3km。
「ガンバレ」、「モウスグガンバレ」の文字に励まされる。

もう少し!
一歩毎に山頂の人影も大きく見えてくる。

\(^O^)/とおーちょー(登頂)!

山頂には10名以上、何故か全員男性・・・・・今日は女人禁制デーか?(そんなのありません(^^ゞ、休憩中少しづつ女性の姿もお見受けしました)
太平洋側はお天気が良く、白石市内はもちろん、仙台のシェルコムや観音様、福島盆地なども確認できました。
山形側は、雲の切間からどっかの市街地(上山辺りかな?)が見えたり見えなかったりでした。

ここは、風と雲の通り道。
西からの風が強く、断続的に雲がやって来ては消えていきます。
そんな光景を見つめて、しばし休憩です。

北側には南屏風岳(左)~屏風岳(右)の稜線が。
自分の脚では白石スキー場からでも、刈田峠からでも、歩く時間はほぼ同じでした(約3時間)。
距離は長くとも刈田峠からが断然楽ですが、白石スキー場からだと「登ったー!」って感じは十分あります。
苦労して登った分、見える景色の有難味が違いますよ・・・・・多分(^^ゞ。

屏風岳(左)と水引入道(右)、間は後烏帽子岳
当初、水引入道経由してスキー場へ戻る予定でしたが、ひざに不安があったので、今日は同じ道を戻ります。
水引入道は、又、別の機会に・・・・・。

休憩してザックも軽くなった(その分、体は重くなってますけど・・・)ので下ります。
山頂~不忘の碑の区間は植物の種類が豊富なので楽しめます。


イワインチンとハチ / ミニミニ花畑


ウメバチソウ / ハクサンフウロ


タカネバラの実 / ウスユキソウ


ヤマトリカブト(裏) / ヤマトリカブト(表)


ツリガネニンジンもしくはハクサンシャジン / エゾオヤマリンドウ

カエルと魚(ヘビ?サンショウウオ?)がにらみ合い!
奥に見えるのは川原子ダムです。

ここから長い下り坂が続くので、喉を十分潤してから、テンポ良く行きたいと思います。

3.9km、集中して下ります(この集中力、登りにも欲しい・・・・・今後の課題です)。

登りでは触れませんでしたが、豪雪地帯らしい光景です。
助走をつけて「ポーン」っと飛び越え・・・・・・・ません。慎重に行きましょう。


靴底が泥だらけになると、丸太が乾いてても足を乗せると滑ります。
お気をつけ下さい。

暑かったので、スキー場に出た瞬間の風が気持ちよかった。
この後、駐車場に戻り、無事帰宅しました。
こちらのコース、水引入道経由の周回に使われる方が多いようです。
ただ、水引入道の沢コースは結構、険しいらしいので下調べしてからお出かけ下さい。
行 程
白石スキー場→(25分)→白石女子高山小屋跡→(80分)→弘法清水→(60分)→不忘の碑(休憩10分)→(15分)→不忘山頂(休憩60分)→(15分)→不忘の碑(休憩10分)→(25分)→弘法清水→(35分)→白石女子高山小屋跡→(25分)→白石スキー場
以上6時間(休憩1時間20分含む)の行程でした。おしまい。
行ってみた日 2014.9.6

国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)不忘山
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