那須連峰 ~鏡ヶ沼から三本槍岳、そして茶臼岳へ(その3)~

茶臼岳山頂のお宮(写真中上)に別れを告げ、荒々しい岩が横たわるお鉢を時計回りに下りて行きます。

お鉢から覗き込んだ姥ヶ平の紅葉は終盤のようです。
次回、秋に那須を訪ずれる機会があれば、やはりこちらをメインに考えなくちゃいけないのかなー。

帰りのルートが見えてきました。
峰の茶屋跡まで下りて、剣が峰を巻いて、朝日の肩へ登り、熊見曽根へ登り、1,900m峰から清水平へ下り、三本槍岳(写真中上ちょい左)へ登り返し、そして稜線を大峠へ下りて行く・・・・・まだまだ遠い・・・・・。
帰れるかな?アハハ・・・・・

体力的な心配もありますが、ちょっと時間的な心配も出てきたので、広い道ではスピードを上げて、観光客の方々の迷惑にならない程度に抜かさせていただきます。

そして時間を短縮した分で少し休憩します。
往路で通過した時点より風が治まってました。
帰宅後、コースを検証したら、ここ峰の茶屋跡から大峠へ向かうのに、三本槍岳経由で行くよりも、三斗小屋温泉経由のほうが、コースタイムで45分も早いことが分かった。凹む~(+_+)

秋らしい写真で凹みを和(やわ)らげる。

休憩後、「心機一転」とまではいかないけど、来た時とは反対の景色を眺めながら戻ります。
道の先は渋滞発生。
団体さん同士の擦れ違いに時間を要しているようです。
途中からこの団体さん(ツアーっぽい?)の間に入ってしまいました。
ゆっくりのんびりペースで力を温存できればいいかな、なんて思ってましたが、これが全然駄目でした。
「5歩進んで、10秒止まって」ってな具合で、ペースもへったくりもありません・・・・・、かえって疲れます。団体で歩くって大変なことなんですね・・・・・勉強になりました。
車に車間距離があるように、人も間隔を保って歩かなくては・・・・・。
途中で抜こうにもスペースが狭く、下る方との擦れ違いも起きるので、仕方ないので途中で休憩して団体さんと距離を置いて歩くことにします。
で、その待つ間に歩く方々の足元に注目してますと、登山靴が多い中、穴の開いたスニーカーで歩いてる方や、デッキシューズっぽい布製の靴の方も居られました(ある意味健脚か・・・)。
さすが観光地・・・・・、それから、登ったのは良いのですが、下りで難儀してる方を2、3人見ました。
恐らく膝が痛いのでしょう、鎖に掴まる手の力を頼りに恐る恐る下りて来ます(後続は渋滞)。
見てるこっちがハラハラドキドキ心臓に悪いです。
福島県でも安達太良山や一切経山でたまに見かける光景ですが、自分が見る限り安達太良などよりも、ここ峰の茶屋跡~朝日の肩の間は、観光気分で行くのはかなり危険だと思いますけどねー。
なんちゃって登山者の自分がそんな事を言うのもおかしな話だなー、なんて考えてると、あっと言う間に5分経過したので、出発します。

下ばかり見て怖い怖いと思ったら・・・・・、

上を見るともっと怖い・・・・・本当に、この道大丈夫ですか?
朝日の肩手前も落石にビビリながら登る。

無事、朝日の肩に着き一安心、熊見曽根へ向かいます。
時間も既に午後になり、ここから先は人が激減します。

熊見曽根から振り返り、茶臼岳。

こちらは朝日岳。
どちらも独特の山容で印象に残る山でした。

1,900m峰への稜線
ここも往路での強風は治まり、1,900m峰のベンチで寛ぎたいところですが・・・・・、三本槍岳(写真左)まで行って、時間的な余裕を得て休憩することにします。

相変わらず、朝日岳山頂は賑やかなようです。

こちらは静かになった清水平(写真右)へ下りて行きます。

清水平は休憩する人もなく、ポカポカして気持ち良い・・・・・休憩したら眠りそうなので先へ向かいます。
この辺りで自分の身体にも疲れが・・・・・、ここから北温泉への分岐過ぎまでの、緩~いだらだら登りに足取りが重くなります。

それでも、三本槍岳から下りてくる方々と交わす挨拶に力を頂き、一歩、一歩、積み重ねます。

そう言えば、午前中ここを下るとき、ここから栃木県(関東)だから、ずぅーずぅー弁がばれないように、「こんにちは」のイントネーション練習したっけなー、なんて事を思い出しながら登ります。
きっと、いつもより高い声だったり、「こにちわー」とか片言っぽい変なあいさつしてたかもなー。

下らない話を回顧していると、三本槍岳山頂に着き、「ただいまー!」
午前中ここへ着いた時には30人ほど居たのに、さすがに午後となると3、4人と静か。
時折、山頂を訪れる人は居ますが、ソロの方が多く、皆さん人が少なくなる時間を狙って登って来るようです。
こちらも風は治まり、ここまで来れば駐車場所までの時間も読めるので、のんびり休憩します。

なんとなーくですが、後ろに薄く見えるのが日光連山、左が高原山、右は日光白根山、手前のシルエットは男鹿山塊の大佐飛山などでしょうか?

こちらは、流石山から続く大倉、三倉の裏那須の尾根。
帰りは写真右縁からの稜線をたどり、写真中央辺りの大峠へ下りて行きます。

遥か北には、左に磐梯山、その後ろから右に吾妻連峰、写真右には布引高原の風車群も見えて、後ろに猪苗代湖も確認できました。
手前右は大白森山、中央は小白森山かな?

一つ上の写真から少し左には飯豊連峰、中央が大日岳で右が飯豊本山?
手前の山は高倉山かな?
薄っすらとですが黄金色に色付いた会津盆地も確認できました。

こちらは本日お世話になった茶臼岳(標高1,915m)。
ここ三本槍岳(標高1,916.9m)との差はわずか2m足らず。
でも、ちょっと低い茶臼岳のお陰で福島県境にある三本槍岳が那須連峰の最高峰になるため、福島県にある日本百名山に那須岳もカウントされています。
「ありがとー茶臼だけぇ~!」
日も傾いてきたので下ります。
大峠への分岐
分岐から大峠へ下り、最初のピークから覗き込むと・・・・・、

旭岳と鏡ヶ沼、この景色を見に来たと言っても過言ではない。
その割にはかなり遠回りしましたが・・・・・

風も穏やか、気持ちの良い稜線歩き。
でも、ザレ場は注意。

次のピークでも覗き込んで、須立山と鏡ヶ沼

西日を受けながら、ドンドン下りて行く。

最後にもう一回覗き込んで、鏡ヶ沼。
紅葉はほぼ終わっていて残念だったけど、白い木々と笹原に囲まれた雰囲気も良かったなー。
でも、今度は紅葉最盛期に来なくちゃだね、又ね~(^.^)/~~~

鏡ヶ沼とお別れして、流石山を正面に見て下りて行きます。
下りれば下りるほどこの山の大きさに圧倒されて、飲み込まれそうです。
この日の最初の目標はこっちの山だったけど、天候を考えて茶臼へ行ってしまいました。
来年のニッコウキスゲの時期に機会があれば、是非来たい!

振り返って三本槍岳、「お世話になりました。」

茶臼岳もチラッっと見えた。(^.^)/~~~

大峠に着き、西日を浴びた新旧のお地蔵様に手を合わせ、ここまでの無事を感謝します。
更に厚かましく帰宅までの無事もお願いして、大峠を後にします。

大峠からは旧街道(写真右)歩きですが、新道?(写真左)もあり、どちらを歩けば良いか迷います。
今回は新道らしき左へ下りてみます。
北向きの斜面なので日が当たらず、既に薄暗いのがちょっと不気味。

旧街道に出ました。
歴史ある石畳・・・・・って言うか、今はゴロ石で歩きにくく、落ち葉の下に泥濘(ぬかるみ)や水溜りもあるのでご注意を。
どうにか明るいうちに戻れそうです。

残り台数もわずかとなった、薄暗い駐車場に戻りました。
帰ろうとマイカーを走らせると間もなく・・・・・・・、

お猿さんがヒッチハイク?
「どちらまで?」と尋ねようと窓を開けたら、右側の土手で「キャッキャ!キャッキャ!」と、お仲間が数頭。
自分の車じゃみんな乗れそうも無いので、取り合えず茶臼岳まで行けばロープウェイがありますよと教えてあげたら、山へ登って行きました・・・・・・・「あっ!言い忘れた、運行時間終了してますよー」
と、アホな件(くだり)を考えながら、無事に帰宅して、お・し・ま・い。
行ってみた日 2014.10.11
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行程
駐車場→(15分)→鏡ヶ沼分岐→(40分)→鏡ヶ沼(休憩10分)→(25分)→鏡ヶ沼入口(稜線)→(30分)→大峠分岐→(10分)→三本槍岳(休憩15分)→(20分)→北温泉分岐→(30分)→朝日の肩→(10分)→朝日岳→(5分)→朝日の肩→(20分)→峰の茶屋跡→(35分)→茶臼岳→(25分)→峰の茶屋跡(休憩10分)→(35分+休憩5分)→朝日の肩→(35分)→北温泉分岐→(25分)→三本槍岳(休憩35分)→(5分)→大峠分岐→(55分)→大峠→(20分)→鏡ヶ沼分岐→(15分)→駐車場
以上、計8時間50分(休憩1時間15分含む)の山歩きでした。


<国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)三本槍岳
那須町のサイト、那須町観光協会のサイトなどにも、登山マップ、トレッキングマップがあります。
大峠 ↓
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