磐梯山の霧氷と赤埴山 ~八方台から変則ルート~

9月の下旬、磐梯山の麓を通過する機会があった。
その時、「今年はまだ登ってないなー」と思い、それから約1ヶ月。
雪の降る前の磐梯山へ行ってみた。
ゴールドラインの峠にあたる八方台に到着。
50台以上は止められそうな駐車場(トイレ有=簡易水洗)には、7時30分頃で既に警備の方が居て誘導して頂けました。
1,500mを越える山の上では、ほぼ紅葉も終わり冬を待つばかり、登山者も少ないだろうと思い来ましたが、結構な人出で駐車場も6割程度埋まってまして、戻った頃には路上にも車が溢れてました。
磐梯山の人気は凄い!改めて実感しました。
準備して出発。

警備員さんに守られてゴールドラインを横断して、八方台登山口(標高1,194m)です。
看板に1,819mとある磐梯山の標高は、再測量の結果1,816mですが、山頂の標示板とともに、昔のままです。
きっと高くなっていれば直ぐにでも修正するのでしょうが、低くなったのでほったらかし・・・・・何と無くその気持ちが分かる気もしますがそろそろ・・・・・。

始めは、幅のある傾斜の緩い道です。
ブナの森を落葉踏みしめ・・・・・、秋の終わりを感じながらの歩きです。

幅広の道が終わると、開けた所にでて硫黄臭が漂い「中ノ湯」に到着です。
朝日の下に磐梯山が見えてきます・・・・・、逆光で見えにくいんですけど。
ん?何か光ってる、もしかして・・・・・・・後ほど。
中ノ湯付近の木(板)道は微妙な傾斜があり、御覧の通り、霜がびっしりで滑らないように注意して歩きました。
行きは無事通過でしたが、帰り・・・・・、スリップして片手つきました、霜が無くても滑ります。ご注意下さい。
裏磐梯登山口(銅沼=あかぬま)への分岐を過ぎると、傾斜もきつくなり登山道らしくなってきます。

少し登ると、展望台のような場所も有り眺めが良くなります。
火口壁の端に出たようです。

裏磐梯の景色を見て一息。
写真では分かりづらいですが、以外にも少し下る区間があります。
下った後は、昨年(2013)の今頃なら「倍返し!」と言われたであろう、登りになります。
この後、磐梯山の山頂部が見えてきます。

先ほど中ノ湯で見えた「光ってる?」原因が、ここではっきりします。
「霧氷」です!山肌が白く輝いてます。
下りてくる方に伺うと、既に解け始まってるようなので、先を急ぎます(体が動く範囲で)。
道は笹原に入り傾斜が少し緩んできます。

お花畑への分岐を通過して、弘法清水に着きました。
通常であればここで休憩して、一番きついと思われる山頂までの500mに備えるのですが、今日は霧氷が解けちゃうので、通過します。

少し登ると、霧氷の残骸が・・・・・。

霜がびっしり、スリップ注意です。

ここがきつい・・・・・視覚的にも。
岩肌も霜で滑ります。

前の写真を登ると東壁の端に出て、沼ノ平や赤埴山が眼下に、更に目の前の鋭い山容に圧倒される筈(はず)です。
いつ見ても感動します。いつ来ても怖い場所ですが・・・・・。
ここから気合を入れなおして登って行くと・・・・・

霧氷ーーーーー!!!

霧氷ーーーーー!!!

草にも霧氷ーーーーー!!!

ナナカマドにも霧氷ーーーーー!!!

山頂も霧氷ーーーーー!!!
初めて見た白い世界に、寒さも忘れて感動のまま山頂です。
早起きして登って良かった(^_^)v

あっ、こちらが磐梯山頂(標高1,816m)です。
もちろん、こちらも感動です。
猪苗代湖が一望、遠くに那須連峰も見えてます。

櫛ヶ峰の向こうに安達太良連峰、吾妻連峰。

会津盆地も見渡せます。
写真右のカルデラは雄国沼付近です。

飯豊連峰は薄っすらと雪化粧。

氷の花
山頂が混み合ってきたので、翁島口方面へ少し降りて休憩にします。
弱いながらも冷たい風で、「ジッ」としてると寒いです。
手袋持ってきて良かった。
ここで、地元猪苗代の方とお話させていただき、楽しい時間を過ごします。
自分と同じで、この後、赤埴山でゆっくりするそうなので、「話の続きは赤埴山で」ってことで、別々に下山します。
山頂から弘法清水は登りの方との擦れ違いで時間を要します。
譲り合いながら、ゆっくりのんびり下りましょう。
弘法清水で二口ほど御水を頂戴して、今度は東側へ降りて行きます。
「バラ、バラ、バラ、バラ、バラッ・・・・・・・」

ヘリが来ました。磐梯山頂でクルッっと旋回してどっかに行っちゃいました。
帰宅後調べたら遊覧ヘリコプターらしいです。
空から眺めたらどんな景色なんだろう・・・・・、羨ましいなー。

櫛ヶ峰に見惚(みと)れて転ばないように、ゴロ石帯を降りて行きます。
途中、黄金清水でも二口飲んで、弘法清水との味を比べます。
今までは、こちら側から登って来てたので、黄金清水が「うまいっ!」と思っていましたが、今日は降りてきてたので、先に飲んだ弘法清水が美味しく感じました。
まぁ、自分の味覚はこんなもんです。気分で変わるので、当てになりません。
天狗岩(三合目)まで降りてきました。
裏磐梯と火口壁の眺めが良いところです。
遠くに飯豊連峰も見えました。

銅沼(あかぬま)の眺めも良いですねー。
三合目分岐から猪苗代口方面へ降りて行きます。
渋谷口への分岐までゴロ石帯なので、慎重に行きます。

渋谷口への分岐を過ぎ、沼ノ平に入ると、道は平坦になりハイキングっぽい感じの歩きになります。
木々の葉が落ちた今の時期は磐梯山の東壁の眺めも良く、双眼鏡で覗けば山頂の人々が確認できます・・・・・(多分)。自分は持ってないのでわからない。

赤埴山が見えてきました。
この後、赤埴林道への分岐を過ぎ、赤埴山分岐から赤埴山へ。
何回も赤埴、赤埴ってうるさいですが、「あかはに」って読みます。

赤埴山山頂(標高1,430m=磐梯山2合目)\(^O^)/

誰もいない山頂で、この景色(磐梯山)を独り占め!

山頂から少し東へ降りると、猪苗代の街が一望。
写真左の山は川桁山。
山頂に戻ると、磐梯山頂でお会いした地元猪苗代の方が到着。
いろいろとお話を伺いながら昼食休憩。
風も無く、お天道様に照らされてポカポカと暖かい。
訪れる人も少なく、のんびりとした時間が流れて、目の前の絶景を楽しめる、好きな場所の一つです。
猪苗代登山口から磐梯山へ往復される方は、是非、「赤埴山」に立寄って休憩していただきたいです。まぁ、天気が良ければですけどね。
そんなお気に入りの赤埴山で休憩中、またもや「バラ、バラ、バラッ・・・・・」っとヘリが近づいてきます。

行先は三日月?ではないようで、実はこの日、沼ノ平周辺で地質調査らしいことが行われており、作業員風の方を数名見かけました。
その関連のヘリではないかと思います。
休憩後、猪苗代の方とお別れして、沼の平へ戻ります。

もう一度磐梯山に登る雰囲気の道を歩きますが、そんな体力はありません。

午後に入り東壁にも影が伸びてきました。
渋谷口への分岐から右に折れ、少し「ズル」をします。
渋谷口方面へ歩き、櫛ヶ池(沼)の辺りからショートカットして火口壁にある櫛ヶ峰の鞍部に出ます。
※このルート、近くに噴気孔が有り、有毒ガスが出る恐れがある為、分岐の所に立入りを規制する看板があります。なので自己責任かつ、高山植物等を踏みつけないようにとか、靴の泥も前後で落とすなど細心の注意で歩いてます。
通常、磐梯山へ登る方は通らなくても済むルートなのですが、裏磐梯口(火口壁コース)、川上口、渋谷口を利用する場合、霧の中ですと迷い込む危険はありますので、十分注意してください。

櫛ヶ峰鞍部から磐梯山と天狗岩。
こちらへ降りてくる人は少ない。

櫛ヶ峰
間近で見ると凄い迫力です。
ここから火口壁を降りて行きます。
急勾配で、足元も滑り易く、登りも降りもあまり「歩きたい」と言う気持ちにはならない感じの道です。特に登りは遠慮したいです。

降りてくると河原のような場所(岩なだれの跡)に出ます。
ここは印を追っかけながらの歩きになりますが、ガスったら道に迷いそうな所なので注意が必要です。

河原みたいな所から、火口壁の眺めは抜群です。
この後、川上口への分岐を経て、裏磐梯口方面へ向かいます。

河原状の道が終わると、松の木が茂る日本庭園ぽい景色の中に入ります。
この辺り、シラタマノキ(シロモノ)が群生してて見事です。
道は小刻みにアップダウンを繰り返します。

火口壁と櫛ヶ峰
木々の間から顔を覗かせると、眺めの良い場所があります。

天狗岩

進んで行くと、こんな所も・・・・・。

ススキの道
裏磐梯のスキー場が近くなり、分岐に出て中ノ湯(銅沼)方面へ向かいます。

丁度見頃の紅葉がありました。
この先もにもう一回分岐があり、中ノ湯(銅沼)方面へ。

銅(あか)沼
土の色、水の色、雰囲気が独特で、日本ばなれした風景に驚かされます。

銅沼付近の道は平坦です。
そろそろ日が傾いてきました。
中ノ湯への登り
火口壁コースの登りは直登気味ですし、そのあとの弘法清水へ向けた登り、最後の山頂への登りとかなりハードです。ただ、景色が素晴らしいのと、苦しさの先にある達成感は得られると思います。
でも自分はやはり銅沼コースを登り、火口壁コースは降り専用ルートですかねー。

中ノ湯分岐です。ようやく一周して来ました。
裏磐梯登山口4.6kmとありますが、これは県道からの距離で、スキー場の駐車場からはもう少し短いそうです(推定3.1km)。
この後、始めのほうで書いたように木道で「すってんころりん」しましたが、怪我無く一安心。

帰り着いた八方台は、西日を受けて、今朝よりも秋が深まっているようでした。
なんてこと言って、一人静かに格好つけてる雰囲気ですが、結構、車もバイクも自転車も人も多いんです(^_^;)
幸い渋滞に遭うことも無く、無事帰宅しましたが、そろそろ裏磐梯の紅葉がピークになりつつありますので、多少の混雑と朝晩の寒さは覚悟してお出かけ下さい。
思いがけない霧氷と、磐梯山の様々な「顔」を見ることが出来て、大満足の一日でしたとさ。めでたしめでたし(^_^♪
行ってみた日 2014.10.18
行程
八方台登山口→(25分)→中ノ湯分岐→(55分)→弘法清水→(25分)→磐梯山頂(休憩40分)→(25分)→弘法清水→(20分)→三合目分岐→(35分)→赤埴山(休憩70分)→(25分)→渋谷口分岐→(10分)→櫛ヶ峰鞍部(休憩5分)→(25分)→川上口分岐→(30分)→裏磐梯スキー場西分岐→(5分)→銅沼→(35分)→中ノ湯分岐(尋ね人?休憩10分)→(20分)→八方台登山口
以上7時間40分(休憩2時間5分含む)の行程でした。

国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)磐梯山
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