残雪の大滝根山
前日、電波塔いっぱいの矢大臣山から見えた阿武隈山系最高峰の大滝根山。
こちらも山頂部にレーダーや電波塔が建ち、自分好みでは無いので登らずにいましたが、矢大臣山が意外に良い所だったので、味を占めて行ってみた。
初めての大滝根山は大越登山口から鬼五郎渓谷霧島権現コースで山頂を目指します。
田村市の南部、旧大越町の早稲川地区を通る県道381号(あぶくま洞都路線)から折れ、鬼五郎渓谷へ向かいます。
進行方向に大滝根山と現在は営業してない「旧あぶくま高原ホテル」が見えてきます。
この旧ホテルの入口付近にいくつかスペースがあるので、そちらに駐車して歩きます。
道路沿いの石垣が崩れて危険な場所もあるので気をつけましょう。
大滝根山は古くから信仰の山として崇められているようです。
この石碑の隣にある産婆神様(石像)に無事を祈願して出発します。
産婆神様の凄みのあるお顔が、ホテルの廃墟と相まって少し怖いので・・・・・、見ないほうが良いかも?
旧チャペルの横の林道を行きます。
進んで行くと、間伐された杉林になります。
進んだ先の沢を渡ります。
今回歩いたコースの特徴として沢を渡ることが多いので、降雨直後などは注意しましょう。
写真奥に見える案内板に導かれ右へ向かい、少し歩くと鬼五郎渓谷沿いに出ます。
道はまだ平坦で、気持ちの良いカラマツ並木を抜けていきます。
奥へ進むに連れ雪も・・・・・。
トレースが一人分、しかも片道だけなので少し不安に・・・・・。
笠石と言うらしいです。
どうして岩の名前がわかったかと言うと↓
県道から鬼五郎渓谷へ折れる所にある大きな案内板に記載されてました。
岩の形状からしてNo.6の笠石だと思います。
案内板を撮影しておくと役にたつかも知れません。
コース上あちらこちらに支柱があったので、昔は名所毎に看板があったのかも?
コース上にある案内板は左側に大きく行き先が記してあり、右側にこのようなマップが記してあります。
賽の河原まで来ました。ここにはお地蔵さんと石碑が有ります。
日山権現コースの分岐ですが、雪に埋もれてトレースも無い為、ハッキリとした道は確認できませんでした。
唯一のトレースを追って、霧島権現コースへ入ります。
残雪は固く凍り、踏み抜くことはありませんでした。
ただ、雪の中に小さな沢や、岩の隙間が隠れている場合があるので、トレースだけを頼りにせず、ステッキで確認しながら慎重に進みました。
沢に落ちたら凍ってしまいます。
途中、岩場でトレースを見失いますが、見つけてホッとします。
流れの右岸を歩くか左岸を歩くか、夏道が明瞭でない場所はコース取りを考えながら歩きます。
そんなこんなで、No.11の一服岩らしき場所まで来ました。
この辺りから登山道は沢の本流を離れて登りが始まります。
雪が多くなってきました。
首の取れたお地蔵様・・・・・No.15御沢(御行沢)地蔵尊のようです。
ここから急登開始・・・・・、お地蔵様も怖いですが、目の前に壁のような斜面がもっと恐怖です。
写真ではわかりませんが、上の方に山頂方向を示す看板が有り、そちらへ向かいたいのですが、雪面がカチカチに凍っててトレースも無いので無理っぽいです。
唯一のトレースは直登気味にあったので、それを辿り登ります。
ただ、このトレースも凍っており、足を乗せると靴底が滑るし、周りに掴める物は無いし、下を見れば怖いし・・・・・。
なので途中から少し逸れて、藪っぽい所へ入り小木や笹を掴みながら必死で登りました。
このルートのトレースが少ない理由が今更ながら分かりました。
春先の霧島権現コースはお奨めしません。それでもこの時期ここを歩きたい方はアイゼン等お忘れなく!
怖い思いをして登ったら、鎖場の途中に出ました。
登るのに精一杯で、霧島権現が何処にあったかは不明です。(^_^;)
見た目じゃわかりませんが、カチカチに凍ってました。
滑ったら下まで落ちてっちゃいます。
No.18胎内くぐりでしょうか?それともNo.20鬼のかくれんぼでしょうか?どちらにしてもこんな穴に滑り落ちたら出るのに苦労しそうです。
急だった傾斜も緩み、徐々に平坦になってきます。
足を止めて耳を澄ますと、「ウィーンウィーン」と回転音が聞こえてきます。
そちらを目指して歩いて行くと・・・・・↓
自衛隊さんのレーダーが見えて、大滝根山頂です。
「やれやれ。」といった感じで一息つくと、「ハックション!ハックション!」と、ここ最近恒例のクシャミが止まらなくなった。
レーダーに支障が出ると困るので(出るわけありません)、クシャミをこらえます。
峯霊神社にお参りして、ここまでの無事に感謝。
この奥のフェンス内(自衛隊敷地内)に三角点(標高1,192m)があります。
どうしても三角点にタッチしたい方は事前に申請が必要です。
詳しくは航空自衛隊大滝根山分屯基地サイト内の「広報・イベント情報」に記載されています。
梵天岩方面へ向かうと、もう一つレーダーがありました。
これらのレーダー群、日本に向けて飛んでくるミサイル等をキャッチするらしいです。
キャッチと言っても掴み捕るわけじゃ無いので、実際ミサイルが飛んできたらそれをどうするかは別の話か?
天候的にあまり見晴らしが期待できそうに無いので、結局梵天岩へは行かず、神社周辺で休憩を試みます。
が、レーダーの「ウィーンウィーン」の音が生理的に合わず、頭が痛くなりそう(意外にもデリケートな人間です)なので山頂を後にします。
歩いて来た道の看板には「下山は上級者向け」と書いてあります。
技術や行動は初心者ですが、たまに気持ちだけ上級者になる自分は「仙台平登山口」へ下ります。
もちろん登ってる途中で同じ道は下れないって悟ってますけどね。
陽射しはありますが、ここも凍ってて踏み抜きませんでした。
山頂から少し下りて行くと送電線?がある、開けた場所に出ました。
入新田登山口やペラペラ石へ向かう分岐の道標がありました。
ここで休憩にします。
この日の天気は「晴れ」でしたが、花粉の他にも色んなものが飛散してるらしく白く霞んでおり、近くの滝根小白井ウィンドファームの風車群もこの程度しか見えませんでした。
食うもの食ったら下山開始!
トレースが多くて安心です。
ただ最近の足跡は無いようでした。
こちらにも鎖場がありました。
鎖を手繰(たぐ)り寄せようとしたら、重くて上がらないので、この岩は巻いて下りました。
5合目まで下りてきました。
この辺りにあるはずの分岐や、手前にあったであろう賽の河原への分岐に全く気付きませんでした・・・・・何処にあったんだろー???
ブナ平から、しばらく平坦な道が続きます。
地図によれば、平坦な歩きが終わり少し西に下ると、県道に近づいて行く北西に下る道があるはずですが、何故か南西に下ります。
「あれっ」と思い、一度戻りその道を探しましたが見つけられませんでした。
なので道なりに下ります(遠回り)。
カラマツ林を抜けて、
見るのも嫌なスギ林を抜けて・・・・・、「イラッ」っとしたので一発蹴りでも入れようかと思いましたが、花粉が降ってきそうなので止めておきます(^_^;)
↑こんなこと書いてますが、実際の大きなスギの林の下はしっとりとしていて、空気がきれいな感じで、意外にも花粉を感じません(個人差があります)。
ナウシカの腐海(ふかい)を思い出した。
沢を2回渡ると・・・・・、
県道に出ました!
※南に100mほどの所に鬼穴方面への入口があります。
この後、舗装路を出発地へ無事戻りました。
渓谷の水の流れに春を感じた山旅でした。
~おしまい~
行ってみた日 2015.3.22
行程
あぶくま高原ホテル跡⇒(20分)⇒賽の河原⇒(霧島権現コース75分)⇒山頂(散策10分)⇒(5分)⇒入新田分岐(休憩10分)⇒(30分)⇒ブナ平⇒(30分)⇒県道⇒(25分)⇒ホテル跡
以上3時間25分の行程でした。
地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)大滝根山