鳥海山 ~花があるから頑張れた~
この日の福島県は雨予報。梅雨なんだから仕方ない。
だったら、雨雲の無い所までって事で、山形、秋田県境の鳥海山へ行ってみた。
鳥海ブルーラインを上り、秋田県側の鉾立(象潟口)に到着です。
文章だとたった一行で着きますが、福島から一般道でここまでは遠かった・・・・・。

朝5時頃の鉾立はこんな感じ。
朝日の眩しさがうれしい~♪、来た甲斐があった。

上の駐車場から雲海を眺めていると、下の方にも駐車場・・・・・、あっちが登山者用の駐車場らしいので移動→準備→しゅっぱ~つ!

朝もやの衣をまとった鳥海山(新山)は神々しく映る。
↑格好良さそうな単語を並べてみたが、実際の感想は、「遠い、そして高い・・・・・」、本当にあの上まで行けるだろうか?

鉾立(標高1,150m)に早く着いた割にはウロウロしてて、登山口を出発したのは20分以上後のことです。
海抜0mから一気に上がってきたので、体を慣らす意味合いもあります。
登山届けを提出して、鉾立登山口(象潟口)からしゅっぱ~つ!(再)

展望台まではコンクリート舗装の道。

展望台から白糸の滝などを楽しんだ後は、石畳&石段の道。
右に雲海を眺めながら県境を越え山形県側へ入ります。

やがて辺りが開けて、賽の河原に近づくと残雪と少々の風。
雪は無理に高い位置を通らなければ問題なく感じましたが、夏道、残雪と2,3度繰り返すので、継ぎ目の踏み抜きには注意しながら歩きました。
風もこれ以上強まることはありませんでした。

前方は曇ってましたが、振り向くと青空が追ってきました。
「青空さん、どーぞどーぞ、先に行って山頂で待っていて下さい」
青空に道を譲る?

賽の河原を通過すると、次の目標、御浜小屋へ続く道が見えてきました。

石畳&石段の道が続きます。
青空が先行?して日も差し、道沿いのコバイケイソウも輝きだす。

チングルマはもう果穂。
辺りにはきれいな花がたくさん咲いてるのに、個人的な好みで何故かこの写真(^_^;)

出発した鉾立が見えた!

御浜小屋(神社)も見えた!
山頂までの行程上、距離的にはほぼ中間地点ですが、この後の行程を考えると、まだ三分の一か四分の一と思っていたほうが良さそうです。

北に稲倉岳。

南に鳥海湖(鳥の海)、雲海の先に薄っすらと月山。
御浜小屋(標高1,700m)周辺は景色も良く、草花も豊富なので、ここを目的地にしてトレッキングを楽しむのも良さそうです(天気良好が大前提ですが)。
ちなみにパンフのコースタイムですと、鉾立⇒御浜が2時間、下りは1時間30分で、トイレ(チップ制)もあります。

咲き始めたニッコウキスゲを眺めていたら、「ここでのんびりして帰ろうかな~」って気持ちが芽生えそうなので、少しの休憩で先へ向かう。
※御浜から扇子森間は石畳の道が途切れます。

扇子森の祠では、鳥海山の使者?がお出迎え。
この後、「何かの御導きかな?」と思い、祠を見かける度に拝ませて頂きましたが・・・・・、結構な数の祠をお見かけいたしました。

前方にドーン!と新山が見えてきました。
右に見えるのが外輪山、その左の谷が千蛇谷と、これから歩かなくちゃいけないルートが何となくわかってきました。

ニッコウキスゲ

扇子森を下りた先が御田ヶ原の分岐で、更に八丁坂と続く。
この辺りのハクサンイチゲが見事でした。

八丁坂から笙ヶ岳・・・・・とアヒルの嘴(くちばし)ではなく自分の手の影。

振り返って扇子森と御田ヶ原

これがチョウカイアザミでしょうか?
「ご丁寧に頭を下げていただき恐縮です。こちらこそ初めまして。」

徐々に坂道はきつくなりますが、そちこちに花が咲いてるので、先の花を見つけては目標に登り、更に先の花と、花を追うように登って行きます。

平たい岩の石畳の道が、いつの間にか丸い岩の急斜面に変わってしまいました。
これを越えると七五三掛(しめかけ)です。

七五三掛(標高1,800m)から見た新山。
「ようやく近くまで来たな」って感じで、そのまま通過してしまいました。
後の疲れを考えると、ここで10分ほど休んでから歩くのが正解だったかな?と反省してます。

七五三掛から50mほど先(白い看板の所)に、外輪山コースと千蛇谷コースの分岐があります。
外輪山への登り斜面に怖気(おじけ)づいたので、千蛇谷コースを選択しました。

分岐辺りからは稲倉岳方向の眺めが良いです。

分岐から、この急な斜面を下りて来ました。
写真中上辺りに階段(ハシゴ)が見えますか?

ベニバナイチゴ

蛇嫌いの自分は、千蛇谷って名前からして奴と遭遇したら・・・・・と内心ドキドキしてましたが、この涼しさなら大丈夫そう。
緩やかな雪渓をザクザクザクザク進みます。

外輪山の緑がキレイ。
でも、落石には注意が必要です。

歩いてきた雪渓を振り返る。

山頂が近くなった割には、高低差は変わらない気がする・・・・・?

餌発見!・・・・・跳び付いてみたけど誰も引き上げてくれない。

雪渓が終わり夏道へ。
ここから御室(おむろ)までが、一番きつかった(+_+)
完全なガス欠・・・・・、腹は減るし、足も上がらないしで、何度も脚が止まる。
やはり、七五三掛辺りで長めの休憩を取るべきだった。

アオノツガザクラ
周りの花と、出会う方との会話に助けられ、どうにか御室へ。

神社に御参りしたり、美術館を眺めたりしてから休憩。

ここに来るまで新山へはどのようなルートで登るのか?イメージが湧かなかったけど、この判り易い絵画を見て理解できました。

休憩後、念の為、先行者が途切れるのを待って、新山へ向かいます。
山と言うよりは、岩で出来た神殿のような気もします。

矢印を見ながら上へ上へ。
たまに「カタッ」と動く岩があって、「ドキッ!」とすることも有りましたが、三点支持で登ります。

岩の隙間にも花は咲く。

切り通しを下り抜けると、新山山頂が真上に見えます。
矢印を追って再び岩を登って行くと・・・・・、

ん?・・・・・ここが山頂ですか?
何故かちょっと疑ってから、来たぁーーーーー\(^_^)/!!!!!
鳥海山(新山)山頂、標高2,236mです。

賽の河原で先行した「青空」が待っててくれたようで、良い天気に感謝です。
周りは荒々しい岩山、そして雲海と青い空、風も穏やか・・・・・「来て良かった、来れて良かった」
お世辞にも広いとは言えない山頂なので、登って来られる方と入れ替わるように下りて行きます。

胎内くぐり

岩場の先に雪渓があり、ここからのコース取りは三者三様って感じで様々です。
自分は新山山頂で出会った方にアドバイスをいただき、御室方向の岩場の端沿いに雪渓を歩き、そこから岩場を下り、外輪山へ向かう夏道に下りました。
雪渓も、岩場も、急傾斜なので慎重に行動しました。

ミヤマキンバイ

先程の雪渓を見上げるとこんな感じ、「高っ!」

外輪山への登りも急斜面で滑りやすいので集中して登る。

登りきると七高山はすぐそこ。

はい、着いたー、七高山山頂、標高2,229m(^_^)v

西側に新山を見る。

最初に七高山へ登り、この状況を見ていたら、新山へは向かわなかったかも?

反対斜面の雪渓を見下ろす。
ガス(雲)が湧いてきた。

イワウメ
花や新山を眺めながら再び休憩。

イワベンケイとテントウムシ
山歩きに転倒(テントウ)虫って、ちと縁起が悪い。
転倒ナシに改名してもらえないだろうか?

休憩後、下山開始・・・・・ガスってきた。

御室

外輪山コースで戻ります。

ハシゴもありました。

振り返って新山。
この後ガスに包まれ見えなくなった。

滑り易いので足元に気を使いながら歩きました。

シャクナゲ
クンクン、いい香り~♪

外輪山コースは千蛇谷側に崩落箇所があるので慎重に歩く。
雪渓を歩く人が蟻んこのように見える・・・・・高度感があって怖い。

イワギキョウ

文殊岳から七五三掛方向を眺める。

チョウカイフスマ
千蛇谷から御室の辺りでも見かけましたが、登りに集中してたので(本当は疲労で余裕が無かった)、写真を撮らずにここまで来てしまいました。
もうお目にかかれないと思っていたので、ここに咲いててくれてありがとう。

ハイマツ帯の狭い道が続きます。
枝や根に靴紐などを引っ掛けて転倒しないよう注意しましょう。
何せ右側は崖ですから・・・・・(゜o゜)

イワブクロ

千蛇谷への分岐まで戻りました。
ここから先は往路と同じ道を戻ります。

再び鳥海山の使者が・・・・・、今度はお見送りでしょうか。
くわえてるのはお土産ですか?・・・・・、「そうですか、じゃー折角なので頂きます」って、手を出したら飛んでった。
(^_^)/

ハクサンフウロ

ガスがサーっと切れて雪渓が目に飛び込んでくる。
真っ白な世界から、突然現れる風景。この瞬間が好き。

マルバタケブキ

♪~なーらんだ なーらんだ あか しろ きいろ どの花みてもきれいだな~♪
咲いてるのはチューリップじゃありません(^^ゞ

扇子森と御田ヶ原

御田ヶ原分岐付近はハクサンイチゲの群落が見事です。

鳥海湖方面へ折れると、間近に見ることができます。

扇子森への石段・・・・・、帰りの難所。

振り返ると、新山も外輪山もガスの中。

鳥海湖と鍋森

ツリガネニンジン?又は○○シャジン?

御浜小屋付近は下山を名残惜しむかのように休憩する人々で賑やかでした。
何故か立ち話の方ばかりでしたが・・・・・?

花々に見送られ、鉾立へ・・・・・。

体力を消耗して疲労度Maxでしたが、今日の鳥海山の風景、花、出会った人を思い出しながら歩いていると、疲れも軽減されて、鉾立に着く頃には、「又来よう!」って気持ちになりました。

下山完了!
この後、遊佐町の「あぽん西浜」(¥400)で温泉に入り、さっぱりしてから・・・・・、御室の大物忌神社で買った交通安全の御守のご加護を受けて、福島まで一般道を無事帰宅しましたとさ。
~おしまい~
行ってみた日 2015.7.5
行程
鉾立⇒(80分)⇒御浜(休憩5分)⇒(40分)⇒七五三掛⇒(千蛇谷経由80分)⇒御室(休憩20分)⇒(25分)⇒鳥海山頂(新山、休憩10分)⇒(35分)⇒七高山(休憩35分)⇒(40分)⇒文殊岳(休憩5分)⇒(30分)⇒七五三掛⇒(45分)⇒御浜⇒(55分)⇒鉾立
以上8時間25分(休憩1時間15分含む)の行程でした。
↓GPS等現代的な機械?を持ってない為、適当に地図のラインをなぞっただけのものです。

地理院地図(電子国土Web)より

地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)鳥海山
関連サイト
鳥海山登山ガイド
遊佐鳥海観光協会
酒田観光物産協会
にかほ市観光協会
由利本荘市観光協会
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