雄子沢から雄国沼湿原 ~午後の陽射とキスゲと風と~
金曜日の昼下がり、梅雨の中休みと示し合わせたかのように時間が取れた。
「裏磐梯の五色沼でも歩いて来よう」って出かけたら、途中から頭の中で「雄国沼のキスゲ、まだ咲いてるかな?」って疑問が膨れ上がり、車は五色沼の入口を通過して桧原湖南側の雄子沢(おしざわ)へ・・・・・。雄国沼へ行ってみた。

雄子沢駐車場(乗用車23台+バス3台、簡易トイレ有←夏季のみかも?)
キスゲシーズンの早朝、平日だろうが土日だろうが駐車場争奪戦はかなり熾烈らしい。けど、午後に来りゃ早目にお帰りの方のお陰で多少のスペースも有り、無事駐車。
※路駐されてる方も多いようですが、お巡りさんが来て職務を遂行されてる姿(運転者を指導?)を目撃したことがあります。くれぐれも運転免許証をお持ちである自覚と自己責任で行動して下さい。
※駐車場にバス停(=雄国沼登山道入口)有り。定期バス&桧原湖レトロバス(森のくまさん)・・・・・詳しくはこちらへ⇒磐梯東都バス株式会社
強い陽射しを浴びながらの駐車場説明・・・・・・・暑くて倒れそうなので、準備して出発。「ふぅー」(-_-;)


駐車場から国道(横断注意!)を少し南に歩くと登山口(標高約890m)。概ね緩やかな傾斜の道でブナ(山毛欅)の森を歩きます。(雄国休憩舎までは約3.3km、雄国沼湿原までは約4.4km)
ただ泥濘が多い(梅雨時の風物詩)ので、スリップ、泥んこ、要注意!
この日は森の中を風が吹き抜けてて「涼」を感じながらの歩き。しかも擦違う小学生、中学生(野外学習=遠足)の「こんにちは!」に熊の心配も無く、元気な声に日本の明るい未来(大袈裟か?)を感じての歩き。

雄国休憩舎(おぐにごや、トイレ有¥100)
午後2時を過ぎてたけど、中からは休まれてる方々の賑やかな声が響いてた。


雄国沼湿原へは林道を歩き、途中の分岐から左に折れて行く。
少し歩くと、黄色く染まった湿原が視界に入り、「おぉー!咲いてたー、間に合ったー、良かったー(*^^)v」
金沢峠からの道に出て、下ると湿原到着(標高約1,090m)。

いざ!木道へ!
(雄国沼湿原の木道=1周約800m、一方通行)

風が心地いい~♪

ようこそ!





ニッコウキスゲ(日光黄菅)は終盤らしかったけど十分楽しめました。他にはトキソウ(朱鷺草=鴇草)やヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲)、サワラン(沢欄)等も咲いてました。














短かかったけど贅沢な時間を過ごして、キスゲ咲く湿原とお別れ。


休憩舎(こや)に戻ってベンチで休憩。
さすがに午後も4時近くなると訪れる人も疎らで静か。
※金沢峠(湿原から約15分)へのシャトルバスの詳細は下記等へ
会津乗合自動車株式会社(会津バス) 喜多方市役所 喜多方観光物産協会
今年(2016)は、7/18まで運行らしいです。

雲を眺めてのんびりしてたら、いつの間にか誰も居なくなった。
そこへ「ブィーン!」と一台の軽トラック。2人の男性が降りてきた。
聴けば、麓の集落で農家を営んでいる方々だそうです。なんでも雄国沼は地元にとって農業用水池的な役割を果たしており、この沼の水を引いて農地が開拓されて今の集落があるそうです。
なので毎日交代で、沼の水の管理、湿原のパトロールを兼ねて来ているそうです。現在は道があって車で来れるけど、以前は片道2時間半かけて歩いて、蝋燭(ろうそく)で一晩過ごして1泊2日だった、と苦労された話も伺いました。
今年は雪も雨も少ないですが、今まで雄国沼の水が涸れたことは一度も無いそうです。「周辺のブナ(山毛欅)が成長して水を貯えてるから涸れないんだよ」とも教えてくれました。
農家の人にとっちゃ「1日」ってとっても貴重な時間。交代制とは言え、朝から晩まで張付けになるのはかなりの負担。
地元の方々が守る美しい雄国の沼も湿原も、楽しませていただく自分らは、少しでもその方々の負担を減らすべくせめてマナーだけは守らなきゃ!、と思った出会いでした。


陽射しの届かなくなったブナの森を、時折エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)に足を止めながら戻る。
往路が賑やかだっただけに、薄暗くて静かな道はちょいと怖い。

無事(熊にも山賊にも化け物にも会わずに)、雄子沢登山口に下山。
「路上駐車禁止」って看板があるので、道に車が無い状態の写真が撮れて良かった良かった。
※道の右奥が駐車場です。

青空の下、心地良い風に揺られた半夏生の午後でした。
行ってみた日 2016.7.1
この日の行程
雄子沢駐車場⇒(55分)⇒雄国休憩舎⇒(20分)⇒雄国沼湿原(木道散策45分)⇒(20分)⇒雄国休憩舎(休憩25分)⇒(50分)⇒雄子沢駐車場
以上3時間35分(休憩25分含む)の行程でした。

地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)雄国沼湿原
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