小春日和の甲子山&坊主沼 ~化粧したての旭岳~
11月に入り県内の峰々からは初雪の便り。
そろそろ夏山オンリーの自分には辛い季節だなーなんて思いながらも、那須連峰の北に位置する甲子(かし)山へ行ってみた。
栃木県と境を接する西郷村。国道289号を下郷方面(西)へ向かうと那須連峰が見えてくる。
新甲子温泉辺りまで来ると、旭岳や甲子山が間近に。

真っ白(゜o゜)!・・・・・「うっ・・・、登れるかなー?」
白いのが旭岳(赤崩山)で右が甲子山です。(キョロロン村の「より道の駅」から。トイレ有)
新甲子温泉から更に西へ。4本目のトンネル出口から折れ、甲子温泉旅館大黒屋さんへの道に入ります。


大黒屋さんの入口前後の道沿いに駐車スペースが数ヶ所あるのでそこへ駐車。
この道へは新甲子温泉からも来れますが、工事の為通行止めでした(2016.11.5現在)。
サルに注意!猿と私には餌を与えないで下さい。図に乗りますから・・・。
余談ですが、甲子温泉発見には次のような一説が・・・・・、猿を撃った猟師。その血痕を追い山中へ。そしたら猿が湯で傷を癒してた。って話です(大黒屋さんのサイトより⇒元湯甲子温泉旅館大黒屋)。
だからこんな看板出して大丈夫かなー、お猿さんを敬わなくていいのかなー、やっぱ図に乗るからいいのかなー・・・・・
サルの心配はこの辺にして、とっとと出発!


まずは大黒屋さんの敷地(正面玄関)を通過します。駐車場右側に登山ポストと案内板がありました(標高約900m)。

ざっくりと本日のコース説明を。
色々計画はあったけど、現在地から甲子山行って坊主沼行って、同じ道を戻りました。
ホントにざっくり・・・・・。

趣のある建物(勝花亭=西郷村指定重要文化財、現在は大黒屋さんの離れで宿泊可能らしいです)を通り抜け登山口へ。
今の甲子道路(国道289号)が開通前は、なんと!この道が国道289号でした。


左に甲子山大黒天(こちらも西郷村指定重要文化財)を見て少し行くと登山口の標示。
橋を渡った先、渓谷側が若干崩れてますのでご注意下さい。


立ち昇る湯煙/朝日に照る紅葉


温泉神社
階段、登山道、どちらを行っても神社で合流します。
「パン!パン!」行ってきまーす。


神社で「熊に遭いませんように!」って願うのもいいけど、熊除け対策もお忘れなく!
地図で見ると等高線は混んでますが、九十九折で傾斜の緩い道が続きます(通称四十八曲り⇒疑り深い性格なので、帰りに本当に48曲がるのか数える予定)。


登って行くと行き交う車のエンジン音と共に国道が見えてくる。
トンネル出口に大黒屋さんへ折れる道が見える。帰路の運転、国道への合流は細心の注意でお望み下さい。



き・れ・い・~♪



九十九折の道に飽きた頃合いを見図らったかの様に倒木が多くなる。飽きさせない対策か?
殆どが潜り抜け可能でした。


「ガサガサ・・・」だった足音は「ザクザク・・・」に変わった。
今シーズン、自身の「初雪」です。


九十九折が終わり、ちょっと広いスペースに到達。「猿ヶ鼻」です。
この辺りから進行方向左側(南)の木々の間に那須の山々(三本槍岳、赤面山等)が見えてきました。


足音は「ザクザク・・・」から「ギシギシ・・・」に。


甲子峠への分岐
甲子温泉から2.0km、甲子山頂まで0.4km、甲子峠へは1.7km
道標の上で雪だるまが案内してくれた。

山頂に近づくと旭岳がドーーーン!(音はしません)と登場。「かっちょいいー!」


山頂手前の道は急斜面でスリップ注意です。
ここを登ると・・・・・、

バーン!(音はしません)甲子山山頂(標高1,549m)\(^^)/
旭岳が目の前!

右から三本槍岳、スダレ山、左が赤面山

三本槍岳を拡大すると、手前に須立山

大白森山

小さいけど磐梯山(中央)と西吾妻山

飯豊連峰、雲海は会津盆地(画像は拡大してます)


坊主沼へ向かうので南方向へ下ります。白い道が続く。

少し降りると旭岳を眺める(見つめる)には格好の場所があります。
すげー迫力!


もうちょい降りると案内板が。新道、旧道の分岐です。
基本的に旧道は通行不可・・・・・、ですが旭岳に登るにはこの旧道を行かなくてはなりません。自己責任の世界なのでお気を付けて。
道の状況が良けりゃ行くつもりでした。でも雪じゃねー・・・。無理はしません。
新道を先へ進もうと思ったら、ガサガサと笹を掻き分け旧道を降りてくる女性。
来るのを待って話を伺うと、笹の雪で濡れてしまうから戻って来たとの事。旭岳には何度か登頂されているようで、「登るなら地面が乾燥してる日が良いですよ。」と教えて頂いた。帰路にお会いした男性にも同じアドバイスを頂いたので、次回はそんな日を選んでチャレンジします(多分)。
こちらの女性とはこの後坊主沼でもお会いして、那須界隈のお話を沢山伺いました。感謝いたします。


旧道には踏み跡が有ったのに新道には無い。初めての道で雪の下に何があるのかわからない・・・・・、慎重に進む。

積もった雪をよーく見ると霧氷の欠片でした。


進んで行くとロープ付の急登が・・・・・。段差有り、雪も有りで苦労する。
帰り(降り)の事も考えてロープを雪の下から引っ張り出す。そしたらロープが「ビョーン!」ってなって、乗ってた雪が全部自分に飛んできた。「バサッ!」雪まみれ・・・・・冷たい(ToT)


急登を終えると日当たりの良い快適な場所に出る。
旭岳が甲子山から見たのとは別の表情で迎えてくれた。


小刻みなアップダウン程度で平坦な道だけど、雪の下に沢や泥濘が隠れてた。
「グチャッ!」、うー・・・(*_*;
深く沈まない動物の足跡が羨ましい。


坊主沼に近づくと笹原が多くなる。
右の画像は坊主沼入口(北)です。右が坊主沼(旧道)、左が避難小屋。左へ。

小高い場所から旭岳を眺める。


坊主沼避難小屋に到着。既に南側の玄関扉は施錠されてて、北側の冬の出入口を利用しないと入れなかった。

小屋の前にある坊主沼案内板。
紅葉の時期がベストらしい。一ヶ月遅かった。


坊主沼へは先程の北入口からも行けますが南入口から行ってみた。
右の画像は反対側から見た分岐。右が避難小屋、左が坊主沼(旧道)です。


坊主沼と旭岳
もう凍ってた・・・。

本当は須立山を経て三本槍岳(どちらも右の木の陰)まで行くつもりで来たけど・・・・・、思わぬ雪による疲労、そして笹原が続く光景を目の当たりにして戦意喪失、・・・「帰ろ。」
そう決めた途端に腹が鳴って、小屋に戻り休憩。



ポカポカ小春日和の中、三和土に腰を下ろしてのーんびり。
小屋の内部は冬専用口に片手でカメラを突っ込んで撮ってます。梯子を持つもう片方の手がプルプル震えた。


休憩後、「カーン!カーン!」と鐘を2回鳴らして(良い音でした)戻ります。
往路は雪で寝てた笹が起きていた。


帰りは急登が急降下に。慎重に降りる。

ブナ(山毛欅)と青空

往路では気付けなかったけど、旭岳へ向かう新道旧道分岐から5分程の所にこの標柱。
ここの東側に水場有りです。チョロチョロと水音が聞こえました。


復路はかなり雪が解けてて、真っ白だった斜面も地面が出てた。

再び甲子山山頂!
居合わせた方々とお話させて頂きながら休憩。風も無く暖かで気持ち良かった。
時間と共に一人減り、二人減り・・・、そして最後の一人になってしまった。
西日で影となった旭岳を目に焼き付け、一礼して下山する。


集中を切らさないように降りる。
集中し過ぎて四十八曲りで本当に48曲がるのか数えるのを忘れた。
次回の宿題(お楽しみ)って事で(^_^;)



微妙?な景観の白水滝(左)に立ち寄り、右手に人工滝(砂防ダム)を見て橋を渡り大黒屋さんへ戻る。


こんな風情のある宿に3、4泊して、連日近場の山を散策出来たらいいなーなんて思いながら無事に下山。
残念ながら時間の都合上大黒屋さんの温泉には入らず、甲子高原山荘さんに場所を移してそちらの温泉(¥400)で疲れを癒して帰宅しました。
厳しい冬を前にした、「優しい冬」の甲子山と坊主沼の歩きでした。
行ってみた日 2016.11.5
この日の行程
甲子温泉⇒(70分)⇒猿ヶ鼻⇒(35分)⇒甲子峠分岐⇒(15分)⇒甲子山山頂(休憩10分)⇒(15分)⇒新道旧道分岐(休憩5分)⇒(55分)⇒坊主沼避難小屋(坊主沼散策20分・休憩45分)⇒(50分)⇒甲子山(休憩50分)⇒(60分)⇒甲子温泉
以上7時間10分(休憩1時間50分含む)の行程でした。

地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)甲子山
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