沼尻から安達太良山 ~尻切蜻蛉~
初めて安達太良山へ登ったのは4年前(2013)の5月のこと。
当時はどんな心境だったのか自分でも不明だが、なぜか?沼尻登山口から登ってた。
まあ、ただの天の邪鬼(あまのじゃく)的発想かとは思うけど、今回もその沼尻口から行ってみた。
まずは猪苗代町の中ノ沢温泉から沼尻温泉へ。
そこから砂利道をボッコンボッコンと車ごと揺られて約3km、沼尻登山口(白糸の滝展望台入口)に到着。
駐車場は広いけど、トイレは無し。
この日は7:30頃で約20台の先行者(車)。(下山時は約30台。)
曇天、風有り、肌寒い中、準備して沼尻登山口(標高約1,130m)を出発!
始めは明るく広い道、少し行くと薄暗い森に入り九十九折の登りに。
登って行くと道は緩やかになり開けてくるも、前方の景色はガスの中。
アカモノ(赤物)が賑やかに咲いてた。
左下から「ザァー」っと落水音が聞こえ、白糸の滝が登場!
これから行く温泉が混じってるので、寒~い日(0℃くらい?)には湯気が立ち昇り、幻想的な景色を醸し出すこともあります。
この日はそこまで寒く無かったけど、気温は10℃前後・・・「やっぱ寒っ!」
サラサドウダン(更紗満天星)やイワカガミ(岩鏡)も加わり、道はさらに賑やかに。
ツツジ咲く道をテクテク行くと、胎内岩コースと船明神コースの分岐。
今回は左を選択して胎内岩コースへ。
帰りは右の船明神コースから戻ってきた。
眼下に見える温泉場(沼尻鉱山跡=湯花採取場)へ向け下る。
急斜面なのでスリップに注意して進む。
下りて行くと苔むした流れ。
温泉かと思い指を伸ばすも、「冷たっ!」
湯けむりに硫黄の香り漂う。
ここは沼尻温泉と中ノ沢温泉の源泉。
下山後は中ノ沢温泉・大阪屋さん(日帰り入浴¥500)のお風呂にお世話になりました。
「白くて熱めの湯がこでらんにがった~♪」(こたえられないほど最高だった!と申しております。)
ザレザレの道を行くと湯治旅館の渡り廊下を思わせる橋で雰囲気満点。
川(硫黄川)からも湯けむりが立ち昇り、歩くだけでも温まる。
見てる景色は「地獄」だけど、気分は「あ~極楽極楽?」
橋を渡り、目印に従い温泉管理小屋裏手の道を行く。
ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)が咲き始めてた。
温泉場を通過すると、落石注意のガレ場、その先はスリップ注意の湿った岩場。
沢(硫黄川)を渡って行くと、道が分かりにくくなる。
目印を追って慎重に。
進んだ先に堤防?の様な石垣・・・・・、鉱山時代のものだろうか?
この辺り、イソツツジ(磯躑躅)やイワカガミ(岩鏡)が見頃でした。
もう一度沢を渡って行くとこの看板に着く。
沼尻登山口にある石碑は、この二十年前の事故の慰霊碑。
看板から進路は北東(左)へ。
岩に「胎内登山口」と記してある。
直ぐに赤い沢を越え、先に見える大岩(右の画像上部に薄っすら)を目指し進む。
ここへ来ると思い出す。
初めての安達太良・・・・・、ここで道を間違えたっけ。
この沢を越えずに右へ登ってしまった。
途中で上(登山道)から見てた先行者に声を掛けて頂いた、おかげで事無きを得たけど一瞬パニックになった・・・・・、今となっては良い経験をしたと思えるけど、当時は焦ったなー。
大岩の下まで来ると、道は北西(又、左)へ。
大岩の先は崩れかけたザレザレの道。
それが終わると再び北東(今度は右)へ。
ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)の蕾/ミネズオウ(峰蘇芳)/イワカガミ(岩鏡)
例年よりもイワカガミが多い気がする。
今年は当たり年かな?
サーっとガスが引け、振り返ると歩いて来た温泉場が見えた。
このまま晴れるかなと期待するも、再び真っ白な世界に。
胎内岩が近くなるにつれ急な登り。
この直後、「カタン!」、カメラ(コンデジ)を岩の上に落としてしまう。
たいした高さでもないし、今まで何度も落としてるし、この時は然程(さほど)気にしてなかった。
~3分後~
カメラの電源をONにする。起動エラーで「もう一度電源を入れ直せ!」的な表示。
一度OFFして再度ON・・・・・同じ表示、もう一度・・・・・又、同じ。
打ち所が悪かったらしい。
電源は入るので、接触かなーとあちこち「ペシペシ!」叩いてみる(電化製品は叩けば直ると信じてる世代です)。
何度やっても同じ結果。壊れた(壊した)らしい・・・・・。
と言うわけで、今回のレポートはここでおしまいです。
尻切蜻蛉でスイマセン。
まだ前半の割に今回はやたらと丁寧に説明するなー、なんて怪しく思った方も居るのでは?
実はこんな理由があった次第でして、本当に申し訳ございません。
もしこの先の道の状況をお知りになりたい方は、過去の記事をご覧頂ければ幸いです。(役に立たない内容ではありますが・・・)
沼尻登山口利用の記事
~初めて登る安達太良山・・・・・何故か沼尻口から~ 2013.5.26
~あって良かった避難小屋~ 2014.5.25
~休憩多めにのんびり沼ノ平周回~ 2014.6.1
~梅雨入り前の安達太良山~ 2015.6.20
ここからは、ただの自分用メモです。
胎内くぐり手前の岩場は来る度に登りにくくなってる気がする。
段差が有り、湿って滑る。場合によっちゃ服も汚れる。
岩の窪みが擦り減り、足が掛からない状態に・・・、ちょっと難所。
胎内くぐりで10分休憩・・・と言うか、カメラを直そうと必死だった。
トントン!カンカン!辺りに響かせ叩くが、無理無理・・・・・。
霧と強風の中、石楠花の搭に手を合わせてから、鉄山避難小屋へ逃げ込む。
天候回復待ち、カメラをいじりながら。
~1時間経過~
小屋の窓から青空~、そして福島盆地が見えた~。
まだ強風(安達太良にしちゃー微風かも)だったけど、安達太良へ向かってみた。
(当初の予定では箕輪山だけ行って同じ道を帰るつもりだったけど、小屋で会った方々から聞いた情報により変更した。)
鉄山、馬の背を経て牛の背へ。
ここからはいつもの賑やかな安達太良の雰囲気。
皆さん天候の回復を喜んで居られた。
安達太良登って下りて、船明神へ。
船明神山の祠が・・・・・落ちてた!
雪の仕業か?風の仕業か?それとも崩れたのか?自然て怖い・・・。
10分休憩の後、下山開始。
障子ヶ岩から先の道は相変わらずで、低木に頭を擦るし泥濘だし・・・。
でもツツジやツバメオモトが咲いててキレイだったなー。
温泉場へ下りた分岐を経て登山口に無事下山完了。
気付いてしまったこと
何度も何度も花や景色を見て「撮らなきゃ!」って思いカメラに手が・・・、その度に「壊れてるんだっけ」と哀しい気持ち・・・。
カメラが無いと休憩してても歩いてても、どこか手持ち無沙汰で間がもたない。その為か行動時間がいつもより早くなってしまう。
帰宅後も写真が無いと記憶が蘇らないし、思い出も半減。
やはり自分にはカメラが必要。
丸6年使ったカメラ。簡単に計算すると1年に約1万枚、計6万枚は撮ったなー。
傷だらけで文字も消え、おまけにメッキも塗装も剥げ落ち(買った時の色と違う色になってるしー)、とても他人様に見せられる姿じゃないけど、ここまで激務に耐えてお疲れ様でした。
ありがと。
~帰宅後~
新しいカメラを検討する。
~次の日~
検討中
~更に次の日~
購入に至る。(これにより、今夏に企んでいた遠征が消えた・・・)
で、古いカメラを「トンカントンカン!」叩きまくったら・・・・・動いた!
起動時に「ガリガリ」っと異音を奏でるけど、ちゃんと写るみたい。
でも新しいカメラを買ったタイミングで動くって・・・・・。
少々カチンときたので、あんたは2号機(サブ)に格下げ!
ここで終わってしまうと、自分とカメラの漫才になってしまうので山らしい情報をひとつ。
題して、~胎内岩のくぐり方~
以前、胎内岩の下り方を記したところ、全然好評を博しなかったので(^_^;)、今度は登り方を・・・。
(内容は下り方とほぼ同じで、読んだ方は梅雨らしい天候のような不快な気持ちになることが想像されます。ご了承の上でお読み下さい。)
胎内岩(過去に撮影した画像)
~胎内岩のくぐり方~
1.普通に穴を通過しようとするもザックがつかえて通れないので戻る。
2.ザックを降ろし、入口の岩の上に引っ掛ける。
ストック(杖)も背伸びして岩の上に置く。
3.岩を通過して向こう側へ着いた頃、後方で「ドサッ!」と音がする。
4.岩の上から覗くとザックが落ちたので戻る。
5.パンパンとザックの汚れを落とし、今度はストックを置いた方にザックを軽く放る。
6.すると、ザックがストックの端に当たり、そのストックがクルクルッと回りながら自分の頭に「コンッ!」と当たる。おまけにザックも再び「ドサッ!」
7.カチン!ときてザックを思い切り放り投げる。「ゴロゴロッ、ドサッ!」・・・・・向こう側に落ちた。
8.岩をくぐりザックを回収し、パンパンと汚れを落とす。
9.辺りを見回し、一連の行動を誰にも見られなかったことを確認して立ち去る。
10.30mほど歩いてストックが無いことに気付く。
11.戻ってストックを回収する。その時後続者と出合ってしまう。何事も無かったような顔でにこやかに挨拶して立ち去る。なおこの際、引きつった笑顔にならない様注意しましょう。
以上、胎内岩のくぐり方でした。
胎内岩をくぐると生まれ変われるとか言いますし、気持ちを新たにして、決してイラっとせずに通過しましょう。
それから、ここでどなたかとお会いした場合は、お互いに荷物を受け渡しして通過すると楽ですし、ザックも汚れずに済みますよー。
ご拝読ありがとうございました。
行ってみた日 2017.6.11
この日の行程
沼尻登山口⇒(35分)⇒胎内岩コース分岐⇒(75分)⇒胎内岩(休憩10分)⇒(20分)⇒鉄山避難小屋(天候待ち60分)⇒(30分)⇒安達太良山⇒(25分)⇒船明神山(休憩10分)⇒(60分)⇒沼尻登山口
以上5時間25分(休憩1時間20分含む)の行程でした。

地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)沼尻登山口