水引入道からの南蔵王 ~休み休みの紅葉三昧~
3年前のこと、水引コースを経て不忘山周回の予定も、暴風に阻まれ水引入道止まりだった。
あの時から、あの急登(水引コース)を二度と登る事は無いと思ってた・・・・・筈だった。
時の流れは不思議なもんで、辛い記憶を忘れたのか、ただの怖いもん見たさか、よくわからないままに再び行ってみた。
国道4号から折れ、鎌先♨経由でみやぎ蔵王白石スキー場へ。
秋晴れが広がる中、見えてきた南蔵王は雲を集めてて「アレレ・・・」ってなる。
「今日も途中撤退かなー」てなことを考えながら、スキー場の大駐車場(標高約840m)に到着。
※トイレはセンターハウスか不忘山登山道寄りの無料休憩所に有り。
前日の裏那須歩きもあり、体に少々重怠さを感じながらも準備して出発!
白女高山小屋が健在してる古い地図でコースを確認。
反時計周りで戻って来る予定だけど、どーなることやら?
「水引」の看板を追ってスキー場の作業道を行く。
やがて猪の掘り起こしたゲレンデを登り、出発して約20分、よーやく水引コースの入口(標高約980m)。
登山道に入りゲレンデと同じ勾配で登って行くも、結局はコガ沢まで下る。
早くも疲れが・・・・・、居合わせた方と立ち話をしながらちょいと休憩を挟み歩き出す。
折角沢まで下りたのに再び登る。
クネっと曲がった樹木をピョンピョン飛び越え、地図には現れない小刻みな急登&たまーに下りをこなして行く。
樹々の間からちょいちょい景色も見える。
やがて鎖場に辿り着き、スリップに注意しながら下りると権現沢の右沢。
早くも2度目の休憩。
少し手前で地元の上級者さんと出会い、ここからこの方に先行してもらいました。感謝!
権現沢を渡り目印(ピンクテープ)を追ってへつり気味に行くとコガ沢に出る(標高約1,250m)。
スリップ注意!増水時危険!
コガ沢を渡ると急登開始!
初めは泥濘混じりの鎖場。ここで泥だらけは避けたいので慎重に登る。
鎖場の途中からはこんな景色が見える。
ただ足場が悪く、止まると脚がプルプルして怖い。
鎖場が終わっても急登は続く。
木の根っこやら、枝やら、熊の尻尾やら(もし居ればの話です、イヤ居ても掴まん)、掴めるもんは何でも掴んで登って行く。
時折振り返ると、紅葉した山肌や不忘山が見えてうっとり。
そんな時も枝から手が離せない。
途中からもうお一方も加わり3人で登って行く。
この方も健脚で息が乱れない。離されつつも必死に後を追う。
パッと開けた場所に出て&青空広がってるしーでホッとする。
ここで朝食った握り飯2個分の燃料を使い果たして補給開始。
お世話になったお二方とは一旦お別れです(後に何度かお会いしますが後記の感謝記録で)。
不忘山方向
雲がとれて良かったよー。
屏風岳方向
パンで腹八分目、残りは景色で補って腹いっぱい。先へ進む。
浮石、スリップに注意して登って行くとジャンボリーコースと合わせる(大日向分岐)。
右の写真のロープ。掴んだら岩がこっちに来そうで怖っ!。
熊が仕掛けた人間を捕まえる罠かもねー。
だったらロープの先に福沢諭吉つけときゃ一発だよ。
自分なら50円玉でも飛びつきますけどねー。
水引入道の南斜面
大日向の岩場を抜け、左側を覗き込むとゴジラ岩が登場。
ここのゴジラは「ギャォーーー!」って鳴かずに「ザォーーー!」って鳴くのかな。
水引入道山
ここへ来た過去二度はいずれも暴風で体を強制的に「斜め」で歩かされた。
今日は頬を撫でるような優しい風。
正直者じゃない自分にも三度目の正直は来るんだねー。
水引入道南西斜面
南屏風岳方向
水引入道山頂(標高1,656m)・・・・・のタイミングでガスってきた。
けど直ぐに回復して一安心。
水引平と屏風岳
屏風への急登が見えてしまい躊躇するも、この彩りに脚を進める。
水引平へ
キョロキョロキョロキョロ、どっちを向いても絶景で落ち着かない。
馬ノ神岳
振り返って水引入道
水引平でまたまた休憩。
この後の急登に備える。
もー壁だよ、この登りは・・・・・。
ふくらはぎがパンパンで破裂しないか心配だよ。
何度も立ち止まって振り返る。
後烏帽子岳
ひと月前に登った時はまだ青々としてたっけ。
水引平と水引入道
ここまで来て絶景を見たら、「もう一度歩きたい」って衝動に駆られる。
「じゃー戻りますか」・・・・・って戻りません!
景色に後押しされて登り切ると、縦走路を行く登山者の声が聞こえ、南屏風岳への道も見えてくる。
屏風岳をパスして、南屏風岳へ直行。
ハイマツ(這松)の中のなだらかな一本道を行く。
途中熊野岳方面を振り返る。
刈田岳が行き交う行楽の車でキラキラと光ってた。
想定してたより人の少ない南屏風岳(標高1,810m)で休憩の後、不忘山へ向かう。
不忘山(御前岳)
午後に入り空気が澄んできたのか、凄く近く見える気がした。
目が慣れてきただけかも?
鎖場を滑らぬよう慎重に下りる・・・・・。
実はこの手前で既に、しかも派手に尻もちついてますー。
折角ついた餅だから、あんこにしようか、きなこにしようか・・・・・。
「宮城だもの、ずんだだっちゃ!」って聞こえた気がして、足元見たらハクサンイチゲ(白山一華)がまだ咲いてた。
近づくと形が変わって見えてカッコエエなー。
振り返って南屏風岳
不忘山山頂(御前岳、標高1,705m)
着いた途端に、「ふぁ~~~~~」大あくび。
まったりすると眠りほうけてしまいそうなもんで、景色を眺めてから下山開始。
今日お世話になった水引入道(右)と屏風岳(左)。
間は後烏帽子岳。
不忘の碑へ降りて行くと、いつもの様に睨み合ってた魚と蛙。
「お疲れ様~」
振り返って不忘山
不忘山南東斜面
遠くに青麻山が見えている。
白石スキー場へ向かって下りて行く。
ん?・・・・・、道の様子がいつもと違う。
工事中で、とても歩きにくい状況になってた。
ただでさえ疲労する道なのに・・・・・、辛い。
でも、下の方は工事が完了してるようで歩き易くなってた。
全部完成したら快適になりそうで、期待大!
途中から水引の急登下で会った地元の上級者さんと再び出会い、楽しく話しながら無事下山完了!
紅葉も良かったし、天気も良かったし、出会った方も良い人ばかりで、充実した水引入道からの周回でした。
めでたしめでたし。
行ってみた日 2017.10.1
この日の行程
白石スキー場⇒(20分)⇒水引コース入口⇒(70分+休憩5分)⇒コガ沢渡渉地点(休憩10分)⇒(50分)⇒大日向(休憩15分)⇒(15分)⇒水引入道⇒(15分)⇒水引平(休憩10分)⇒(25分)⇒水引平入口⇒(20分)⇒南屏風岳(休憩50分)⇒(30分)⇒不忘山⇒(35分)⇒弘法清水(休憩5分)⇒(65分)⇒白石スキー場
以上7時間20分(休憩1時間35分含む)の行程でした。
地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)水引入道山
<感謝録>
●無料休憩所で会った男性
電気のスイッチの場所を丁寧に教えて頂きありがとうございます。
●コガ沢の川原で会った地元の男性お二方
コガ沢のこと、辺りの山事情、大変勉強になりました。ありがとうございます。
●水引への急登下手前で会った地元の男性。
この方には終始お世話になりっ放しでした。
要所で先行して頂き、休憩箇所では楽しい&ためになるお話の数々。更に下山時もお会いして一緒に歩けてとにかく勉強になりました。 ありがとうございます。
●水引への急登途中で会った男性。
カメラのこと、写真のこと、お話し出来て楽しかったです。ありがとうございます。
●南屏風岳で会った福島の男性
近隣の山の情報、細かく教えて頂きありがとうございます。
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