風とじゃれ合う安達太良山 ~湯川に涼む~
日曜日の午前3時前。
ここ最近の日課的に冷蔵庫を開けて水をガブガブ・・・。
今日は家で大人しくしてる筈だったが、その割には準備良くキンキンに凍らせてあるペットボトルとハイドレーションを抱き枕にして二度寝・・・・・は、しない。
もー暑くて暑くて暑くて暑くて敵わんから、そいつらをザックに詰め込み家を出る。
コンビニで「おにぎり温めますか?」の問いに「もっと冷やして下さい」と言いたい衝動に駆られたが、素直に温めてもらい頬張りながら行き先を考える。
何処か涼しい所は???・・・・・、!!!塩沢温泉から登る安達太良なら、くろがね小屋までは渓谷沿いだし木陰だし良いかも~!
行ってみた。
5時を10分か15分回った頃、塩沢登山口(標高770m、トイレは一応有り)に到着。
先行車(者)はゼロで一番乗りらしい(下山時は15~20台)。
準備して登山届を出して出発!
※くろがね小屋まで4.2km、安達太良山までは更に2.2km(計6.4km)
「・・・の・・は・・・・です。・さなお・・・・・いないでください。」
取りあえずひらがなの部分だけ読んで歩き出す。
※看板に穴が開くぐらいしっかり読んでから入山しましょう。
砂利道を少し歩き暗~い森の中へ(写真は明るく写ってますが・・・)。
両側の土手から小さな白い蛾がわんさか出てきてちょっと不気味。
馬返し分岐(↖くろがね小屋、↗僧悟台)
※丸い標示板の3/30の「30」はくろがね小屋までの目安です。
緩い傾斜の道を行くと金剛清水。
バチャバチャと顔を洗うも、眠気がとれない。
ここんとこの暑さが影響してか? 序盤、体調が優れない。
道は次第に細くなり、右下から川音を聞きながらの歩き。
12/30の標示板辺りから「落石注意!」地帯が続くので慎重に。
※降雨時や雨天直後は特に注意してください。
昨秋にスルーした三階滝へ向かおうとして、下る道を見た瞬間にクラっと軽い目まい・・・・・。
怖いので三階滝は諦めて直進。
屏風岩入口(←くろがね小屋、→屏風岩、三階滝)
屏風岩で10分休憩。
ここへ来たら強めの風が吹いてて、その風のお陰で体調も回復傾向。
少し歩き振り返り屏風岩の眺め。
更に行くとへつり気味に歩く箇所も。ここでさっきの「クラっと」がきたら・・・・・、不安に苛まれながらも無事に通過。
「ふぅー」、冷や汗びっしょり。
八幡滝で更に5分休憩。
マイナスイオンの効果なのか、ここでほぼ平常時の体調に戻ったみたい。
安心して先へ進む。
「一のはし」からは湯川の流れに沿った歩き。
見ても涼しい、聞いても涼しい、風も涼しい、暑さ忘れの道。
タマガワホトトギス(玉川杜鵑草)
「二のはし」を渡った直後に崖登り有り。
慎重に通過。
三のはし、四のはしを経て荒龍岩。
くろがね小屋まで残り1.5km。
五のはしを渡り20分ほど歩くと対岸に「天狗の庭」が見えてくる。
キンコウカ(金黄花=金光花)だろうか?
遠目でよく分からないけど沢山咲いてた。
直後に「六のはし」を通過。
ノギラン(芒蘭)
奥岳からの道と合わせ(塩沢分岐)、くろがね小屋方面へ。
上の方はガスって見えない。
くろがね小屋(標高約1,350m)通過。
安達太良山頂まで牛の背経由で2.2km。
※くろがね小屋が建て替えられるらしい。先日の裏那須歩きの際に出会った方に教えて頂いた。
詳細はくろがね小屋のサイトでご確認下さい。
一体どんな山小屋になるんだろー?楽しみに待ちたい。
ここ(小屋の先)からちょいと強めの登りが始まる。
塩沢からゆったりと高度を上げて来た自分には厳しい傾斜。
救いは風が追ってたこと、陽射しがなかったこと。
コメツツジ(米躑躅)/クロマメノキ(黒豆の木)
峰の辻
いつもなら正面に安達太良山だけど、この日は全く・・・・・。
牛の背へ向かう。
「ゴォォォォォー!」牛の背は湿った重い強風で、おまけに砂混じり。
沼の平も全く見えない。
稜線上は見通しが悪く、今回ほど目玉印が有難いと思ったことはなかった。
ガスの中、安達太良山頂へ向かうはずが船明神山へ行ってしまった、なんて話を聞いたことがあったけど、それも納得できる天候だった。
いつも歩いて知ってる道なのに、「見えない」というだけで「不安」が大きく膨らみ「自信」が消えてしまう。
自然の怖さを教えられた。
⇑⇑⇑御覧頂ければ風の音と先の見えなさが少しは伝わるかと・・・⇑⇑⇑
安達太良山頂!とは言ってみても、このレベルではどこなのか分からない。
で、山頂(標高1,700m)
ん?これもどこだか分からないか・・・・・。
山頂下の様子
もう「涼しい」を通り越して、「寒い」の領域に入ってる。
来る途中で目星を付けてた岩陰まで戻り休憩。
ここで失敗に気づく。
失敗1 防寒的な服を持ってこなかった。まあ、基本暑がりだから何とかなった。
失敗2 カチカチに凍らせてきた飲物がカチカチのままだった。陽射しが無いから全然解けてなーい。ハイドレーションの水は少し解けてたから、これでどーにか凌ぐ。
何度も失敗を重ねて成長するタイプなので温かく見守ってやって下さい。そうして頂けるとその温かさで凍った飲物もきっと解けます!
ハハハ・・・、冷たい視線で解けやしない。
休憩後、鉄山へ向かう予定は断念して、来た道を戻る。
峰の辻まで戻るとガスが晴れてくる。
篭山は見えるも、安達太良山や鉄山が見えることは無かった。
くろがね小屋でトイレを拝借してたら夏の陽射しが復活。
一気に気温が上昇!
塩沢登山口方面(左)へ逃げ込む。
ここからはずーっと木陰の道。風もあって暑さを感じずに歩けた。
途中、あだたら山の会の方に出会った。
「今年は水が少ないよ」と湯川を見つめながら言う。例年と違う川の表情に少し不安気だった。更に毎年発生する落石や倒木の不安も口にしていた。
この道をずっと我が子のように守ってきたからこそ、心配は尽きない御様子。
湯川の流れに翻弄される登山道をしっかりと管理して頂いてることに、ただただ感謝です。
八幡滝まで戻り休~憩。
滝と向かい合って座り、涼し~♪
蜻蛉がちょっかい出してきたり、風も悪戯っぽく飛沫を浴びせてきたりと、退屈することなく時が流れる。
※水辺なのでアブ(虻)を警戒してましたが、この日の行程上では遭遇しませんでした。もしかすると、これからの季節はアブが多くなるかも知れませんのでご注意下さい。
⇑⇑⇑涼しさが1ミリぐらいは伝わるかと・・・⇑⇑⇑
・・・・・わたしの心は夏模様~♪
休憩後、風と共に塩沢口へ。
下山後、山の会の方にお薦め頂いた青木荘で、登山道同様に湯川の流れを聞きながら温泉に浸かりさっぱりして帰宅しましたとさ。
※塩沢温泉郷 青木荘 (入浴¥500、浴槽7~8人、洗い場3)
安達太良山からの景色は無かったけど、夏の太陽から逃れられて、とっても涼しい一日でした。
行ってみた日 2018.7.22
この日の行程
塩沢登山口⇒(25分)⇒金剛清水⇒(50分)⇒屏風岩(休憩10分)⇒(10分)⇒八幡滝(休憩5分)⇒(20分)⇒荒龍岩⇒(45分)⇒くろがね小屋⇒(35分)⇒峰の辻⇒(15分)⇒牛の背⇒(20分)⇒安達太良山(休憩20分)⇒(10分)⇒牛の背⇒(10分)⇒峰の辻⇒(15分)⇒くろがね小屋(休憩5分)⇒(25分+立話5分)⇒荒龍岩⇒(10分)⇒八幡滝(休憩65分)⇒(25分)⇒金剛清水⇒(20分)⇒塩沢登山口
以上7時間25分(休憩1時間50分含む)の行程でした。
地理院地図(電子国土Web)より
国土地理院のサイト⇒地理院地図(電子国土Web)標準地図(25000)安達太良山
<感謝録>
●復路、五のはし近くで会ったあだたら山の会の男性
この道のこと、注意箇所、更には温泉まで教えて頂きありがとうございました。